ダイハツ小型の開発、認証でトヨタ連携、グループで事業・体制見直し

ダイハツ工業と親会社のトヨタ自動車は4月8日、ダイハツの小型車についてトヨタが開発から認証に責任を持ち、ダイハツが委託を受ける体制に改めるなど、ダイハツの事業見直しと新体制について発表した。認証不正の再発防止とダイハツの再生を図る。ダイハツの井上雅宏社長、桑田正規副社長、星加宏昌副社長が会見した。

グループ間でダイハツの強み・弱みを補完する仕組みを目指す。ダイハツの小型車事業では、トヨタが開発から認証までを担い、トヨタから委託を受けて開発の実務を担う。ダイハツが開発に今まで通り関わる一方で、トヨタが各工程の節目で責任をもって管理し、連携する体制に改める。今後の切り替えモデルから順次改めていく。

海外事業ではダイハツ、トヨタで手掛けている「新興国小型車カンパニー」を5月1日に廃止して、製品企画機能をトヨタのToyota Compact Car Companyに移す。

「小型車カンパニー」がもつトヨタブランド事業・商品企画機能はトヨタの事業・販売ビジネスユニットに移管する。開発を始めとする人的資源などリソース管理・適正化もトヨタが担う。また、カンパニー下にあるアジアの地域事業会社2社を6月に統合して「トヨタ モーター アジア」とし、トヨタのアジア本部下に移す。

ダイハツの事業の方向性では、「二度と不正を起こさない体制構築を大前提」として2月9日公表の「三つの誓い」再発防止をまず進める。「軽自動車を中心に据えたモビリティカンパニー」を目指し、将来は、中断している商用軽BEVの開発を図る。

再発防止と再生に向けて、組織を改める。機能軸・縦割り組織からコミュニケーション重視・横連携に再編。統括部長・副統括部長の役職を廃して社長・副社長・本部長ラインにスリム化する。また、若手のプロジェクトリーダーを選任する。

開発・認証では不正の背景となった開発日程を長期化して見直す。その上で、想定以上の問題が発生したときに報告して開発を止めて各所で助け合う、日程を見直すなどできる体制を作る。

「無駄な仕事を省くワンボイスのトップダウンと現場の困りごとやアイデアを吸い上げるボトムアップのベストミックス」も推進する。部門ローテーション活性化も行う。

井上社長はダイハツ単独での自動車ビジネスを考えるのでなく、トヨタグループ18社と共に今後のグローバル自動車ビジネスを考え、国内外のお客様に幸せを量産し続けることがダイハツの信頼を回復する手段だと考えていると話した。

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