「続日本紀」に登場の古代山城「茨城」の推定地 福山市加茂の住民が案内掲示板設置

案内掲示板の完成を喜ぶ瀬良さん㊥と粟木原さん㊨たち

 広島県福山市加茂町の広瀬交流館前に、「続日本紀」に登場する約1300年前の古代山城「茨城」の推定地の案内掲示板が完成した。福山市などの郷土史愛好家でつくる備陽史探訪の会による推定地の発表以降、県内外の古代山城の愛好家が相次ぎ来訪していることを受け地域住民が寄贈した。

 掲示板は縦90センチ、横3メートル。同町芋原地区にある1周約3キロの遺構推定地の地図と、住民たちに「芋原の大スキ跡」と呼ばれてきた土塁が、同会と古代山城研究会(東京)の昨春の合同調査で「茨城」の可能性が高いと確認したとの説明文を載せる。町内の先納博之さん(93)が寄付した犂(すき)も飾った。

 3月末にあった除幕式で、広瀬学区まちづくり推進委員会の瀬良繁實(しげみ)会長代行(82)が「来訪者の利便性向上のため案内表示が必要だった。多くの方の協力で完成した」と感謝した。

 案内板を寄贈した加茂町広瀬地区活性化推進委員会の粟木原明人名誉会長(82)は「今後、新たな発見があれば掲示を追加する。茨城を含む地域の史跡ツアーなどで、訪れる人を増やしたい」と話した。

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