農家恐れる「凍霜害」 どんな対策が【長野】

凍霜害の対策は

県内各地から春の便りが次々と届く今、農家が恐れているのが霜です。収入に直結する被害の軽減へ。県などが対策を急いでいます。

雪が残る山々を背に膨らむつぼみ。中野市の高社地区では、うららかな春の陽気に誘われプラムが春の訪れを感じさせています。

■JA中野市りんご・もも部会 塩野谷忠彦部会長
「発芽したところですかね。(生育は)平年並よりちょっと遅れている形になるかな」

3月に気温が上がらなかったことで生育は足踏み。この時期、気をもんでいることがあります。

■JA中野市りんご・もも部会 塩野谷忠彦部会長
「開花した後の霜ですよね」

去年の春、県内に大きな被害を及ぼした凍霜害。被害額は過去5番目となるおよそ23億円でした。そこで県やJAなどは、初めて凍霜害対策の実演会を実施し、被害の軽減に努めています。

■県北信地域振興局 高橋敬三所長
「作ったものが全部収穫できるような形で農家さんの収入もしっかり安定するような形で進めていきたいと思う」

対策として勧めるのがオイルヒーターです。周囲の温度を2℃ほど高めることで効果を発揮するといいます。購入には補助があるものの灯油代など費用はかさみます。

■JA中野市りんご・もも部会 塩野谷忠彦部会長
「(被害にあえば)実がつかないということで全く収入がなくなってしまうので、お金がかかっても対策はしっかりしなきゃいけないのかなと思いますけど」

小諸市ではけさ霜が降りるなど、暖かいと思いきや冷たい雨もある今年の春。霜の被害はどうなるのか、この先の天気は…。

■青木智則・気象予報士
「気温が高く風が弱い日に発生しやすいのが放射冷却。放射冷却が発生することで地表付近が0度近くなることで霜が発生する。これから先、暖かい日が続く見込みだが変わりやすいのが春の天気です。上空に強い寒気が入ることもあり、早期予想には十分注意が必要です」

被害にあってからの対策が難しい凍霜害。細かな対策が必要です。

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