改正入管法で、不法滞在者を大幅に減らす!|和田政宗 参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった――。

認められなければ最長1年で国外退去

2023年6月8日、参院法務委員会で入管難民法改正案の採決無効を求める野党議員(写真提供/時事)

昨年6月に国会で成立した改正入管法が、今年6月10日から施行されることになった。これまで無制限に可能だった難民申請が最大3回までとなり、3回難民申請を行ったとしても最長1年で審査が終わり、認められなければ国外退去となる。大幅に不法滞在者を減らすことができる。

私は参院法務委員会筆頭理事として、改正入管法の早期施行を法務省に働きかけてきた。しかしながら、改正入管法成立前から私に対する事実無根の攻撃が始まった。改正入管法の早期施行、外国人犯罪やトラブルなどを収められたくない勢力がいるようで、結局、改正入管法は施行期限ぎりぎりの6月10日施行となった。

改正入管法の施行によって難民申請は最大3回までとなったが、さらに詳細に述べると、2回目の難民審査で難民と認められなければ、自主的に帰国するか強制送還となる実質2アウト制である。3回目の申請も可能だが、出した時点で相当と認められる理由がなければ、即強制送還対象となる。

そして現在は1回目の審査が終わるまでに約3年かかっているものを、審査のスピードアップを図り、1回の審査を約6ヶ月とする。2回の審査で計1年、3回目の申請で相当な理由がなければ即強制送還対象なので、不法滞在狙いで難民申請を行っても、認められなければ最長1年で国外退去となる。

また、現在2回以上の難民申請を行っている者についても、その回の審査が終わり認められなければ、自主的に帰国するか強制送還となる。

トルコからテロリストが入国する懸念

こうして不法滞在者の国外退去を進めるが、さらに、私の要請でESTA(電子渡航認証システム)の導入が進められることとなり、不法滞在狙いの入国がそもそもできなくなる。ESTAは米国等が導入しており、事前に渡航目的や本人の属性などが審査される。

このESTA導入前に、iAPI(相互事前旅客情報システム)が先行して導入される。日本に渡航予定の外国人が海外の空港で搭乗手続きをする際、我が国の入管庁が航空会社から旅客情報の送信を受け、入管庁が要注意外国人情報と照合し、該当すれば搭乗を拒否する。必要な予算を今年度予算で確保したので、早ければ秋にも導入される見込みだ。

これらの施策で、不法滞在者の強制送還が進むとともに、そもそも不法滞在狙いの入国ができなくなる。そう、両方に網をかけたのだ。さらに、改正入管法では仮放免が原則認められなくなるので、不法滞在者は大幅に減ることとなる。

これに加え、トルコ等からの入国者の短期滞在ビザ免除の即刻停止が必要であり、私は外務省に繰り返し要請している。トルコからの日本渡航は、90日以内の観光、商用等の目的の場合、短期滞在ビザが免除されるが、トルコは経済状況が悪く、不法滞在狙いのトルコ国籍者が日本に入国している。

さらに、トルコからテロリストが入国する懸念がある。トルコは、ハマスが国内に拠点を置き資金調達することを支援しており、エルドアン大統領は「ハマスは正義の戦士で、イスラエルはテロ国家」と発言している。

今回のイスラエルとハマスの戦闘は、ハマスが行ったテロ攻撃が原因であり、ハマスが行った性暴力、赤ちゃんを含む虐殺を、エルドアン大統領は肯定していることになる。

トルコのジャーナリストが接触を求めてきた

ISやヒズボラへのトルコ国内からの資金供給が米国から公式に指摘されており、先月、ロシアでテロを起こしたISメンバーの1人は、トルコからロシアに入国している。このような状態ではトルコ国内からIS等のテロリストが日本に入国する危険性があり、こうした観点からも短期滞在のビザ免除を即刻やめるべきである。

そうしたなか、トルコの情報機関MITによる世界各国における工作活動が、英国王立防衛安全保障研究所のリポートや各国の報道機関などで指摘されている。ギリシャの報道では、ジャーナリストを活用し虚偽の話を広めるとともにトルコ政府の立場を強める工作活動をしていると指摘されており、このことを先月22日の参院法務委員会で取り上げた。

そうしたところエルドアン政権に極めて近いとされるトルコのジャーナリストがインターネット上で私に接触を求めてきた。接触は拒否したが、このような方法をトルコは使ってきたのである。

なお、先月22日の国会質疑では、トルコが昨年11月、PKK関係者として日本国内の2団体と6人の資産凍結を発表した件で、警察庁はPKKを国際テロリストとして公告しているのに、トルコがPKK関係者とした2団体と6人を摘発していないのはなぜかと質問した。

これに対しては警察庁より、国連安保理決議やG7各国、我が国の法令に照らして、これら2団体と6人をテロリストやその関係者とは認めていない旨の答弁があった。

私がこのうちの1人と面会したことがあることから、ネット上で私がテロリストを支援しているかのような風説が流布されているが、この答弁からもわかるようにそもそも事実無根であり、クルド人と会ったことも3回しかない。

いずれも外国人犯罪やトラブルを防ぐためにベトナム人やネパール人など各国の外国人からヒアリングをするなかで会ったものだ。トルコ現政権はテロリストを支援しておきながら、政権維持に都合の悪い人物をテロリストと恣意的に指定しているのである。

ネット上で流布されている虚偽

いまだに日本クルド友好議員連盟がトルコ国籍クルド人を支援しているかのような嘘が流布されているが、この議連は、日本政府も認めているイラクのクルディスタン地域政府の議会との交流が目的であり、そもそもトルコ国籍クルド人は関係ない。

それでも、私は外国人犯罪やトラブルを撲滅する取り組みを進めてきたことから、トルコ国籍クルド人の違法行為についても摘発が進むよう後押しをしてきた。

昨年8月には、警察庁へ要請し、埼玉県警が川口市等において警察官やパトカーの巡回や人員を増強し、摘発強化を行ってきた。なお、川口市を管轄する警察署管内の外国人犯罪は年々減ってきていたが、昨年は検挙数が308件と100件増えた。このうち半数近くがベトナム人で、次に中国、その次にトルコ国籍者と続く。

川口市がホームページで公開している昨年の犯罪件数(日本人・外国人合計)は4,437件、そのうち自転車窃盗が一番多く1,534件で、昨年に比べ329件増えた。凶悪犯罪も起きており、さらに摘発と抑止を進めるべきだが、川口市の治安がどういう状況であるかは、ぜひ川口市に行って確認をしていただければわかることと思う。外国人があちこちで暴れている状況ではない。

さらに、外国人は逮捕されても日本人に比べ不起訴になりやすいとの言説がインターネット上などで流布されているが、これも誤りである。これも先月22日の参院法務委員会で質問したが、法務省の公式の答弁で、外国人のほうが日本人より起訴率が高いことが判明した。起訴率は全体で36.2%だが、外国人の起訴率は38.5%である。

このようにネット上ではかなりの虚偽が流布されており、私に対する不当な攻撃も改正入管法の早期施行を妨害するかのように行われた。述べてきたように、外国人犯罪やトラブルを撲滅するために動き、不法滞在者を大幅に減らす取り組みを私は実行してきた。

事実を繰り返し皆様に伝えていくので、正確な情報をもとにご判断いただければと思う。

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和田政宗

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