神奈川県議会の立民会派、結集進むも先行き不透明 運営巡る不和やハラスメント背景

神奈川県議会(資料写真)

 神奈川県議会は10日の団長会で、会派構成の変更を承認した。昨春の改選後の会派結成時に分裂した立憲民主党の2会派のうち1会派が解散し、合流が進んだ。党所属27人のうち21人が結集。それでも、県連が求める「一つの会派」には至っておらず、先行きは不透明だ。

 昨春の改選後、同党所属県議は「立憲民主党・かながわクラブ」(立民)、「立憲民主党」(立憲)、「かながわ未来」(未来)の3会派に分かれた。

 改選前の会派「立憲民主党・民権クラブ」内の運営を巡る不和や、表面化したハラスメント問題などが背景にあるとみられる。党所属県議の一人は「要因は一つでなく、積もり積もったものだ」と話す。

 一方で、改選から1年を経て、結集へ向けた動きも顕在化。10人が所属していた立憲で市川佳子、野内光枝、相原志穂、平野みぎわの4氏が「大きくまとまることが県民の負託に応える道」として、第2会派の立民への合流に向け、離団を決断。これを受け、残る6人で協議した結果、立憲は会派の解散を決め、10日に議長に解散届を提出した。

 4氏のほかに赤野孝之、古賀照基、飯野眞毅の3氏も立民に合流。立民は計21人となった。立民の斉藤尊巳団長は「一足飛びにはいかないが、結集への大きな一歩。21人の力を総動員して県政課題に取り組む」と意欲を示す。合流した県議の一人も「気持ちを新たに頑張りたい」と話した。

 その一方で、立憲所属だった首藤天信氏は、神奈川ネットワーク運動の青木真紀氏と「立憲民主・神奈川ネット青葉都筑」を結成。柳瀬吉助氏は「清進の会」、佐々木奈保美氏は「立憲民主党こゆるぎクラブ」の1人会派をそれぞれ発足させた。「合流の意向はあった」と明かした一人は「同じ党であっても会派を異にするのは珍しくない。自身の政策課題を解決するスタンスで臨む」とした。

 未来会派にも党所属の県議3人がいるが、今回の動きとは一線を画した。

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