ウクライナ南部オデーサにミサイル攻撃、子供含む4人死亡 解放80周年の記念日に

ウクライナ南部オデーサ州で10日、ロシアによるミサイル攻撃があり、10歳の少女を含む4人が殺害された。

オレフ・キペル知事によると、他に7人が負傷し、うち1人は両脚切断となった。また、交通インフラに被害が出たという。

攻撃は10日午後6時から6時半の間にあり、弾道ミサイルが飛来した。何発だったのかは明らかにしていない。

この日は、オデーサが第2次世界大戦でナチスドイツから解放されて80周年の記念日に当たっていた。

ロシアはこのところ、ウクライナのエネルギー部門を狙った攻撃を続けている。

ウクライナ当局はロシア軍について、ミサイル攻撃の後、被弾した人々の救助に向かった人々を狙って2回目の攻撃を行う「ダブルタップ戦術」をとっていると非難している。

同日には北東部ハルキウ州でも、ロシアの攻撃で3人が殺されたと当局が発表した。

ハルキウ州への攻撃では、リプツィ村の薬局にミサイルが当たり、14歳の少女が殺されたと、オレフ・シネフボウ知事が発表した。

ロシアとの国境に近いハルキウ市では、ここ数週間で攻撃が激化している。

ウクライナ当局は、同市が今後、ロシアの攻撃の標的になるかもしれないとみている。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が2022年2月に本格的なウクライナ侵攻を開始して以来、同国第2の都市であるハルキウは、数カ月にわたるロシアの砲撃で甚大な被害を受けている。

ウクライナはここ数カ月、戦場で挫折を味わっている。

ウクライナ軍は弾薬不足に陥っており、アメリカの重要な支援は、連邦議会でドナルド・トランプ前大統領の支持者によって保留されている。

米下院のマイク・ジョンソン議長は、ウクライナに600億ドル(約9兆900億円)の軍事援助を行う法案の採決を拒否し続けている。

アメリカのクリストファー・カヴォリ北大西洋条約機構(NATO)欧州連合軍最高司令官は10日に連邦議会で、アメリカの支援がなければウクライナは「かなり短期間で」砲弾と防空迎撃ミサイルを使い果たすだろうと語った。

カヴォリ司令官によると、ロシアは現在、ウクライナ軍が1発砲弾を発射するごとに5発の砲弾を発射している計算になる。この比率は近く1発対10発になる可能性があるという。

「我々の支援なしには、ウクライナ軍は勝てないだろう」と、同司令官は語った。

(英語記事 Ukraine war: Russian missiles hit Odesa on WWII anniversary

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