【韓流・釜山旅行ガイド】パク・ヒョンシク主演Netflix『ドクタースランプ』にも登場した釜山。人気のチャガルチ市場、とっておきの撮影スポットは?

釜山・チャガルチ市場のメイン通り。新東亜水産市場ビル両階段の踊り場から撮影

韓国旅行の行き先としてソウルに次ぐ人気を誇る、韓国第二の都市・釜山。人気の観光地に加えて、釜山国際映画祭や大規模コンサート、ミュージカル公演なども開催され、リピーターも多い。

Netflix配信のパク・ヒョンシク主演『ドクタースランプ』や、チョン・ヘイン主演『D.P.-脱走兵追跡官-』、イ・ソジン主演『エージェントなお仕事』、ファン・ジョンミン主演映画『国際市場で逢いましょう』(2014年)など、韓流作品の舞台としてもおなじみの街だ。

ひと昔前、「旅行に行って写真ばかり撮るのは野暮」と言われた時代があったが、デジタルカメラが普及して撮影がラクになり、この十数年のSNSの発達で写真を世間に気軽に発表できるようになると、撮影は旅のメインストリームに躍り出た。

そこで今回は、釜山を代表する観光スポットのひとつ、チャガルチ市場で絵になる写真が撮れる場所をお教えしよう。

■釜山の人気観光スポット、チャガルチ市場のおすすめ撮影スポット

釜山の観光地は大きく海雲台エリア、西面エリア、南浦洞エリアの3つに分かれる。なかでも、近代から現代に至る庶民の息吹が感じられるのが南浦洞エリアのチャガルチ市場だ。

市場でまず目を引くのがビーチパラソル群。赤、黄、青、緑の傘が花のように東西に咲き乱れている。これらを俯瞰に近いアングルで撮れるのが新東亜水産市場のビルだ。影島大橋側から波の形を模したチャガルチ市場を左手に見ながら西に進み、ビルが切れたところで右手に見える6階の建物である。

このビルの壁面には両階段があり、外から2階に上がることができる。その踊り場部分がかっこうの撮影スポットなのだ。

西側から撮ったチャガルチ市場のメイン通り。左手に新東亜水産市場ビルの両階段が見える

踊り場の真下には、2、3の露店がパラソルの花を咲かせていて、いわゆるチャガルチ・アジメ(おばちゃん)たちが鮮魚を商っている。今の時期なら文字通り剣のようにしなやかなカルチ(太刀魚)が主役だろう。

アジメたちは通りがかった買い物客に声をかけたり、並べた魚に水をかけたり、暇なときは昼寝をしたりしている。踊り場からこれを眺めていると20分や30分があっという間だ。

売り物の魚に水をかけるアジメ
左手に太刀魚をさばくアジメが。屋根の上には魚を干すアジメが見える
地べたに座り込むアジメ。その脇を通り過ぎるのは定食のトレイを二重に頭にのせた出前のアジメ

■大ヒット映画『国際市場で逢いましょう』で主人公が通った道

チャガルチ市場の店舗や露店で商売する女性たちのなかには、朝鮮戦争の避難民やその家族がいる。映画『国際市場で逢いましょう』で半島北部から避難してきた主人公ドクス(ファン・ジョンミン)と同じような境遇の人たちだ。

トロ函をたくさん積んだリアカーを引っ張ったり、年老いたドクスと船長になる夢に一歩近づいた若いドクスがすれ違ったりする劇中シーンを思い出す。

夜も7時を過ぎると、人通りは少なくなるが、市場の灯りはまだ消えない。さらに、夜10時を回ると、路面店から人の気配がなくなり、その向こうの水協(漁協)共同販売場が賑わい始める。遠くにはライトアップされた南港大橋の姿を見ることもできる。

少なくとも朝と夜の2回、この新東亜水産市場の踊り場からチャガルチ市場を眺めてみてもらいたい。シャッターボタンを押さずにはいられなくなるはすだ。

夜7時過ぎのチャガルチ市場、同じ場所から西方向を撮影
夜10時を回ると路面店からは人気がなくなり、水協が賑わい始める。遠くにはライトアップされた南港大橋の姿が

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