破格の強さに怯えた…序盤で戦うのはあまりに酷だった『ドラクエ』シリーズ“恐ろしい強敵”たち

スーパーファミコン『ドラゴンクエスト5 天空の花嫁』パッケージ(編集部撮影)

『ドラゴンクエスト』シリーズでは、冒険の序盤にとんでもない強敵と戦うことがある。それも強制負けイベントのような展開ではなく、プレイヤーの行動によって遭遇してしまうため、あまりに厳しい……。

オリジナルやリメイク版でも同様、仲間がいても序盤で戦うと破格の強さだった恐ろしい敵キャラをみてみよう。

■『ドラクエ5』見てはいけなかった…レヌール城の「うごくせきぞう」

『ドラクエ5』では、幼年時代のレヌール城に登場する「うごくせきぞう」が強敵だった。 パパスがいないのでビアンカとの2人旅となるのだが、レヌール城はなかなかの長丁場である。

ここでは、主人公たちのあとをつけてくる石像が登場する。“何かがある”と思って話しかけてみると「みーたーなーっ!!」と「うごくせきぞう」との一戦がはじまる。
なかなか強敵だが、ここまでしっかりとレベルを上げていたらビアンカの“ルカナン”で防御力を下

げられる。攻撃力は高いので、HPさえ気をつけていればなんとか勝てるほどだった。

しかし、やっかいなのがリメイク版である。レヌール城ではビアンカがさらわれるイベントがあるのだが、リメイク版だとビアンカを見つける道中で「うごくせきぞう」が登場する。石像の目が光る演出があるので、初見プレイだと“コイツが何か知っている”と思って調べてしまいがちだ。

スーファミ版をプレイした筆者だが、なんとなくしか覚えていなかったので、主人公ひとりの時についつい普通に調べてしまい、戦闘に突入してしまった。

コイツは一人で戦うとかなり危険である。“ホイミ”を何度も唱えなくてはならず、ビアンカに“やくそう”を持たせてしまっていたらMPがなくなってしまうので非常にやっかいだった。

しかも、アルカパの町からここまで来るのに何度も戦闘をしているので、HPやMPを消費しているケースもある。MPが少ない状態で“ルカナン”も使えないとなったら、もはや全滅確定だ。ビアンカのありがたさが身にしみる強敵だといえるだろう。

■『ドラクエ6』マーズの館にある井戸を調べたら…「いどまじん」に全滅の危機

『ドラクエ6』では数々の難敵が登場するが、冒険の序盤で出会う強敵といえば、マーズの館の井戸に潜む「いどまじん」ではないだろうか。

本作で初登場した「いどまじん」。館に入る前にポツンと井戸があるので、誰でも先に入りたくなってしまう。井戸を調べるといきなり戦闘になり、この気持ち悪いモンスターが出てくるのでちょっと焦った。

しかもコイツがまた強い。いきなり“おたけび”で動きを封じてくるし、“きあいため”からの攻撃が強烈。さらに、“いしつぶて”で全体攻撃を仕掛けてくる。

守備力が高く攻撃力もあるので、レベル10程度だと全滅必至だ。いくらハッサンが仲間にいるとはいえ、ここに到達する程度のレベルだと倒せたとしてもかなりギリギリだろう。おそらくほとんどのプレイヤーは舐めてかかっただろうから、後手に回ったはず。筆者もかなり苦戦した記憶がある。

ちなみにリメイク版でも同様、「いどまじん」の存在をすっかり忘れていたので、普通に井戸を調べて後悔したものである……。

■『ドラクエ8』逃げられるが絶対に勝てなかった「ドランゴ」

『ドラクエ8』に登場するのが、「スカウトモンスター」だ。特定の場所に存在し、倒すと強さに応じて金貨や銀貨、銅貨を手に入れられる。ただ、序盤はこのスカウトモンスターがどういう存在なのかがまだ分からない。

最初の町、トラペッタには門が2つある。『ドラクエ8』では3Dマップになったので、町の周辺を散策しようとしたプレイヤーも多いだろう。

レベル1でスタートしているだけに弱い敵と戦っていくのだが、北の方には何やらモンスターらしき敵がいるのが見える。そして、近づくと追いかけてくるコイツが、「魔獣ドランゴ」だ。最初はそのまま遭遇してしまったのだが、なんとすぐに戦闘に入ってしまう。しかも大きいし、強そうでもあった。

とはいえ、「ドランゴ」といえば、『ドラクエ6』では仲間になるモンスターなので、“もしかしてイベント戦なの?”と思った。しかし、コイツは容赦なく攻撃してくる。しかもとんでもなく強い。何をしてもボロ負け必至であり、筆者も2ターンで全滅してしまった。

何もここまで強くしなくてもいいのでは……? まあ、実は逃げられるようになっているのだが、こんなの絶対に分からないだろう。ドラクエを長年プレイしていると、基本的に“強敵からは逃げられない、成功しづらい”と植え付けられているものだ。

活路を見出そうとするも、結局全滅してしまった。ちなみにリメイク版でも強さは変わらない。ただ、ある程度心構えはできているので、追いかけてくるのを巧みにかわして崖前の宝箱を手にしたものである。

さて、紹介したように、序盤から登場する強敵には苦戦させられたものである。ドランゴは例外として、手持ちのアイテムも少なく使える呪文もほとんどない状態だったので、本当に厳しかった。いやはや、冒険というのは甘くないものである。

© 株式会社双葉社