世界で活躍中の人気絵本作家・とねさとえ最新絵本『ねずくんとパパのおるすばん』の魅力

日本人で初めてボローニャ国際イラストレーション賞を受賞した絵本作家、刀根里衣(とねさとえ)が手掛ける絵本『ねずくんとパパのおるすばん』が4月11日にGakkenより発売された。

ママがおでかけで、ねずくんは朝からパパとふたりっきりで初めてのお留守番。ママそっくりにはできないパパは、ねずくんの好きな服や嫌いな遊びを知らなくて、最初は失敗ばかり……。

ねずくんとパパの関係は出だしはギクシャクしてしまう。しかし最後にはパパとねずくんのとてもいい表情が描かれる作品だ。

そんな本書の特徴は紙の絵本ならではの「ちょっとひと手間」。カバーの表紙と背のタイトルの文字部分に、少し盛り上がったエンボス調のUV厚盛りニス加工が施されています。全体は艶を抑えて高級感を出す加工・マットPPのしっとりした手触りの中、文字だけつるつるした手触り&ぽっこり盛り上がりの見た目と触感が楽しい、ひと手間かけたカバーとなっている。

そのほか帯の紙は厚めのトレーシングペーパーとなっており、表紙の美しい草原の絵が透けて見える仕様に。カバーをめくって見開きページを開けると、帯の折り返し部分の表紙側にはパパが、裏表紙側には笑顔のねずくんが隠れている。

帯をはずして、ねずくんとパパの手の上にある菱形(◇)のマークを合わせると、ねずくんとパパがハイタッチできるといった仕掛けも隠されている。物語はもちろん、紙の絵本特有の仕様も楽しい1冊だ。

■著者紹介
とねさとえ(刀根里衣)
福井県生まれ。イタリアを拠点に活動する絵本作家。2012年から2年連続、ボローニャブックフェアで入選を果たす。2013年、日本人としては初めて国際イラストレーション賞を受賞。代表作は『ぴっぽのたび』『モカと幸せのコーヒー』『おもいで星がかがやくとき』(NHK出版)ほか。5歳の男の子と0歳の女の子がいる。ほかの絵本では「刀根里衣」として漢字の著者名を用いているが、本書ではひらがな表記。

(文=リアルサウンド ブック編集部)

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