タンタンに最後のお別れを 5月10日、神戸市立王子動物園で追悼式を開催 一般参列者約100人募集

「神戸のお嬢様」タンタン(神戸市提供)

神戸市立王子動物園(同市灘区)の人気者として24年にわたって愛され、3月31日に死亡したメスのジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」の追悼式が5月10日、同園で行われることが決まった。12日、久元喜造神戸市長が会見で発表した。

【写真】1995年9月、生まれたばかりのタンタン

追悼式は5月10日午後2時から園内の「動物園ホール」で開催。最期まで寄り添った担当飼育員らによる贈る言葉や、10分程度のメモリアルムービー上映などが予定されている。動物園は一般参列者約100人を募集する(申込者多数の場合は抽選)ほか、当日はライブ配信も行う。

タンタンは2000年7月、中国・四川省から来園。愛らしい表情やしぐさで多くの人を魅了し、阪神・淡路大震災後の神戸市民に癒やしと希望を与えた。20年に借り受け契約がいったん満了し、返還される予定だったが、新型コロナウイルス禍や21年に判明した心臓疾患のために帰国は延期。22年3月からは体調を考慮し、一般公開を中止していた。

23年秋ごろからタケノコやササなどの好物を食べなくなり、1日の大半の時間動かず、長く眠るように。少しでも病気の進行を遅らせようと、飼育員や獣医師らは一丸となり「タンタンファースト」で取り組んだが、3月13日からは液体栄養食も受け付けなくなったという。

関係者によると、3月31日の昼間は、足取りは弱っていたが歩き回り、与えられた液体栄養食を拒否しつつも自力で水を飲むなどしていたという。午後10時20分過ぎ、息をしていないことが判明、午後11時56分、死亡が確認された。心臓疾患による衰弱死だった。タンタンは28歳、国内にいるパンダの中で最高齢だった。

タンタンの死後、同園のパンダ館通路に設置された献花台には、別れを惜しむ大勢のファンが連日訪れ、手を合わせている。また、11日現在で、日本全国から約3300の花束が届いたという。

久元市長は会見で「かわいらしい姿が今も目に浮かぶ。来園者に喜びと笑顔を与えてくれたタンタンにあらためて感謝したい」と述べた。

同園の加古裕二郎園長は「さまざまな形で追悼や励ましのメッセージをいただいた。ホールの収容能力上、追悼式への出席人数は限られるが、ライブ配信で多くの人に見てもらいたい」と話した。今後、同園HPで、ありし日の姿をつづった特設サイトを開設する予定だ。

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