中国月探査プロジェクトの中継衛星「鵲橋2号」、通信テスト完了

中国月探査プロジェクトの中継衛星「鵲橋2号」、通信テスト完了

中継衛星「鵲橋2号」を載せ、海南省の文昌宇宙発射場から打ち上げられる運搬ロケット「長征8号遥3」。(3月20日撮影、文昌=新華社記者/楊冠宇)

 【新華社北京4月12日】中国国家航天局は12日、月探査プロジェクトの中継衛星「鵲橋(しゃくきょう)2号」が軌道上で通信テストを完了したと発表した。衛星プラットフォームと搭載機器は正常に作動し、機能と性能が要件を満たしており、月探査プロジェクト第4期以降、国内外のミッションに中継通信サービスを提供できると評価した。

 鵲橋2号は3月20日に打ち上げられ、2日に計画通り24時間周期の月周回長楕円軌道に入った。6日に月の裏側で活動する中国の探査機「嫦娥4号」との通信に成功、8~9日には地上にある「嫦娥6号」と通信テストを行った。

 鵲橋2号と同時に打ち上げられた通信測位技術試験衛星「天都1号」「天都2号」は3月29日に月周回軌道に入り、3日に両衛星が分離、現在は技術検証に入っている。

 鵲橋2号と天都1号、天都2号は月周回長楕円凍結軌道を目標軌道としている。月は外形構造が不規則なため、月に近い軌道を飛行する宇宙船は引力などの影響を受け、飛行軌道に誤差が生じやすい。月周回長楕円凍結軌道は安定しており、宇宙船の軌道誤差を最小限に抑えることができる。

 鵲橋2号は今後、嫦娥4号と打ち上げ間近の嫦娥6号に中継通信を提供し、科学探査を展開する予定となっている。

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