山下智久『ブルーモーメント』で意識するのは“チームワーク”「コミュニケーションを密に取って、みんなの士気を上げる努力を」

ドラマ『ブルーモーメント』(フジテレビ)は、甚大な気象災害によって脅かされる人命を守るべく、知恵と知識を駆使し、現場の最前線で、命がけで救助に立ち向かうSDM(特別災害対策本部)メンバーの奮闘を描く物語。

本作で、SDMのチーフであり、報道番組のお天気コーナーにも出演する気象学の天才・晴原柑九朗(はるはら・かんくろう)を山下智久さんが演じます。

撮影の合間に行われた取材会に出席した山下さんに、台本を読んだ感想、気象学で命を救うというテーマ、晴原の魅力について聞きました。

気象が命に直結することを改めて知った 山下智久 気象が命に直結することを改めて知り「知識を持っていることは大事」

──脚本を読んだ感想を聞かせてください。

鋭さもありつつ、それでいて緩むところもあり、非常に見応えのある作品になるのではないかな、と感じました。

“気象学”と言うと縁遠いように感じますが、“お天気”なのでかなり身近な話なんですよね。でも、身近だからこそ意外と知らない豆知識があって。脚本を読んで「あ、なるほど」と納得することも多くありました。

それぞれの登場人物が持っている過去にフォーカスされる部分もありますし、現在と過去の両方を同時に見つめることができる脚本ですね。

──気象学で命を救うというテーマに関しては、どう思いましたか?

気象は命に直結する可能性もありますし、一人ひとりが知識を持つことは大事で、学んだほうがいいものなんだと感じました。備えが大事だということを皆さんに感じてもらえるように作っていきたいと思います。

──フジテレビドラマに7年ぶりに主演することについてはいかがですか?

僕が初めてフジテレビのドラマに出させていただいたのは20年以上前。ですから、スタッフさんの知り合いが多いのですが、今の僕があるのはそういう皆さんの作品に出演させていただいたおかげだと思っていて。だから、久しぶりにフジテレビに戻ってこられたことはシンプルにうれしいです。

ただ、これまでやってきたことは過去の話。今は過去の作品たちを越えていけるような作品を作りたいという闘志に燃えています。

──演出の田中亮監督とは、『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd Season』以来のタッグとなります。

以前からの関係性があるので、お互いの意見はシェアしやすい間柄なのかなと思っています。

これまでさまざまな作品に出演してきたことで、自分の意見を伝えないのはもったいないな、と思うようになっていて。その意見が良くなければ採用してもらわなくていいのですが、もしかしたら何か発見があるかもしれないですし、そういう話し合いは大事だな、と。

だから、遠慮せずにしっかりと自分の思っていることを伝えていい作品を作っていけたらと思っています。

山下智久が語る主人公・晴原の魅力は? 山下智久が語る主人公・晴原の魅力は?

──気象学者である晴原を演じるために準備したことはありますか?

日頃見慣れているはずの天気図にどういう意味があるのかなど、知らないことがたくさんあって。原作コミックからも学べることがたくさんありました。

あとは、気象学者さんのドキュメンタリー映像も見ました。短期間で学べるほど簡単なことではないのですが、できる限りの準備はしています。

──晴原に共感する部分はありますか?また、演じていてどんなところに魅力を感じますか?

人は「恥ずかしい」と思って自分の感情を抑える傾向があると思うんですけど、晴原は言葉に出すタイプの人。最高のメンバーで最高のチームを作り上げていくんだ、自然災害から人々を救うんだ、ということを声に出していて。そこはすごく分かりやすい人だなと感じています。

もしかしたら、声に出すことによって自分を鼓舞しているのかもしれません。そういった彼の情熱に魅力を感じてメンバーも集まってきているんでしょうね。

──晴原を演じるうえで、意識していることはありますか?

基本的にはシャープな役どころです。ただ、今まで僕が演じてきた役とは違って、カジュアルな、人間味を感じられる部分もしっかりと描かれていて。その緩急を大事に、彼が背負っている過去も含めて奥行きを大事に演じられたら、ほかの作品で見せてきたキャラクターとはひと味違うものにできるのかなと思い、意識しています。

──本作を含めて漫画原作ものに出演する際、キャラクターづくりなどで意識していることがあれば聞かせてください。

これまでにもいくつか漫画原作の実写化作品に出演させていただいたことがありますが、本質というか、魂と言いますか、そういうものはしっかりと表現できるように何度も原作を読みます。

ただ、個人的に完全再現は難しいと思うんです。漫画と実写では根本が違いますから。それでも、原作者の先生が一番伝えたいメッセージだけは理解して、自分の中に落とし込んで役をつくっていくことを意識して取り組んでいます。

──本作で一番大切にしたいことは何ですか?

彼の過去と、それにどう向かい合っていくのかということ。あとは、晴原が思う災害に対するリテラシーを、命を懸けて届けていくことが大切なのかなと思っています。そこはしっかりと忘れずに、演じていきたいです。

──晴原のビジュアルへのこだわりはありますか?

クールな気象学者としての一面と、お天気お兄さんという二面性があるキャラクターなのですが、お天気お兄さんのときには前髪を作ってメガネをかけて、外見を変えています。

外見だけではなくて、両面とも手を抜かずに役を作って、ギャップを見せられたらと思っています。

山下智久の好きな雲は「入道雲」 山下智久の好きな雲は「入道雲」

──災害現場のシーンなど大変なことも多いかと思いますが、撮影で楽しみにしていることを聞かせてください。

作品自体がチームワークを一つのテーマにしているので、キャスト・スタッフ全員でしっかりとチームワークを作って、それぞれが持っている力を出し合えたらと思っていて。そのためにも…あまり得意ではないですが、コミュニケーションを密に取って、みんなの士気を上げる努力をします!

──どんな方法を考えていますか?

とにかく頑張って話しかけようかな、と(笑)。質問をたくさんして、みんなのことを知りつつ、みんなの気持ちを柔らかくして、でも締(し)めるときは締めるように。そういった空気づくりは個人的な課題ではありますけど…いい現場になるように頑張ります。

──気象が題材となる作品ですが、山下さんはどんな雲が好きですか?

入道雲です。夏は植物とかいろいろなもののエネルギーが高い季節で、そのときの空は見ると活力になる気がしていて。夏が好きなこともありますし、個人的には夏休みの楽しい思い出を思い出せるし、入道雲は好きです。

──天気はこまめにチェックするほうですか?

週間の天気は軽く見るようにしています。雨の日だとできることが限られてしまいますし、スケジュールにロケがあるとより天気は気になりますね。

ただ、これまではそれくらいだったのですが、もう少し「湿度が高いな」などと深掘りしていけるようになるといいな、と。この作品を通して皆さんに負けないくらい天気を学んで、知っていきたいと思います。

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