サッカースクールで福島に恩返し 元Jリーガー・萬代宏樹さん

二本松市グリーンフィールドのイベントで子どもたちとサッカーを楽しむ萬代さん(右から3人目)=3月31日

 サッカーJ1のジュビロ磐田などで活躍した萬代宏樹さん(38)=福島東高卒=が5月、福島市に小中学生を対象としたサッカースクールを開校する。「福島で育ててもらい、プロになれて今の自分がある。今度は自分が選手を育てて恩を返したい」。現役生活18年間で培った技術や経験を次世代へと伝えていく。

 萬代さんは福島東高時代に全国高校選手権で8強入りに貢献。卒業後の2004年に仙台に加入すると世代別の日本代表としても活躍し、磐田、鳥栖、山形など複数のJクラブを渡り歩いた。J通算(カップ戦を含む)355試合に出場し、56得点。19年からJFLのラインメール青森FCに所属し、21年に引退した。

 第二の人生は指導者の道を歩み、宮城県のサッカースクールでコーチ業をしてきた。「いつか自分のスクールを持ちたい」。そう考える中で芽生えたのが、福島への思いだった。

 「高校で全国ベスト8に行った時の熱狂が頭に浮かんだ。地元からプロや世界で活躍する選手を育てられれば、福島のサッカー熱をもっと上げられるかもしれない」。勤めていたスクールを3月に退職。自分の思いを伝えられる場所を福島に設けることを決めた。

 開校するスクールでは、プロ時代の経験を踏まえて、フィジカル練習にも力を入れる考えだ。なでしこジャパンの大塚慶輔フィジカルコーチが監修するトレーニングを取り入れ、体の使い方などを教えていく。萬代さんは「サッカーを通して人間力も養いたい。自分ができることで地元に貢献したい」と思いを語る。

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