SNSフォロワー900万人突破、ケンティー健人に聞くとっておきの「バズりめし」3選

肉巻きおにぎり

日々の料理に変化を加えたい。そう思ったとき、頼りになるのがSNSの動画です。動画クリエ-ターのケンティー健人さんは3年半前から700本の料理動画を投稿。SNSの総フォロワー数は900万人(4月1日現在)を誇ります。昨年12月、「ケンティー健人の世にもおいしい一人飯」(光文社刊)を発売したケンティーさんに、お勧めの料理3選を聞きました。

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「これ、とても簡単なんですよ」

ケンティーさんは、レシピもなければ、分量もない料理動画で注目されるクリエーターです。2020年9月、一人暮らしを始めると同時に自炊動画をSNSに公開したところ、瞬く間に人気に。今回、著書発売に合わせて初めてレシピを公開し、話題を呼んでいます。

著書には、詳しい料理手順も書いてありますが、映像で確認したいときはQRコードから動画に飛べるようになっており、組み合わせることで、楽しく料理を学べます。

そんなケンティーさんに選りすぐりの「バズりめし」の中から、とっておきの料理を聞きました。

まず最初に挙げたのは、「肉巻きおにぎり」です。

「これ、とても簡単なんですよ」

材料は、あたたかいご飯に豚バラ薄切り肉だけ。調理工程のシンプルさが魅力の一品です。

「普通におにぎりを作るみたいに、ご飯を適量、手にばっと握りまして、それをまん丸じゃなくて、長めに握るんですよ。そして豚バラを巻いて焼くんですけど、お肉をちょっと引っ張りながら巻くことによって、ぎゅっと縮んでお肉が剥がれなくなります。一般的な肉巻きおにぎりは片栗粉をつけるんですけど、これはつけなくてもいいですね」

肉が焼き上がったら一度取り出し、フライパンに調味料を入れます。

「しょうゆ、砂糖、みりんを入れて、フライパンで煮詰めていくと、水分がなくなってキャラメリゼみたいになってくる。そうなったら、焼いた肉巻きおにぎりを入れて、つややテカりが出るまで絡めます」。最後にゴマをかけて完成です。

「自分で食べても満足感ありますし、お弁当にも使えます。より多くの方に知ってもらいたいなって思うレシピなので、お勧めです」

砂肝のアヒージョ

「コリコリで、すごくおいしい」

続いて紹介したのは、「砂肝のアヒージョ」です。

「これも以前、会社に勤めながらTikTokやっていたときによく投稿していて、週1ぐらいで食べていましたね」

砂肝と聞くと、焼き鳥で食べるくらいで、家庭で作る分には、ややハードルが高い食材かもしれません。

ただ、ケンティーさんの料理は簡単にできるコツがあります。

「焼き鳥屋さんの砂肝は下処理がしてあるんですよ。砂肝は鳥の肝臓なんですけど、銀皮というのがついていまして、白っぽい部分を取らないと、基本的にちょっと固いんですよ。でも、僕の場合はつけたまま調理します。ある程度切り込みを入れることによって、銀皮も食べれるぐらいの固さになって食べやすくなるんです」

楽しめるのは食感です。「コリコリで、すごくおいしいです。かみごたえが抜群なので、僕は食べすぎると歯が痛くなりましたけど(笑)」

また、アヒージョは残ったオリーブオイルが活用できるのもポイントです。

「油にも砂肝やニンニクのうま味がすごく溶け出しているので、そこにパスタを入れて、絡めて食べるともうたまらないですね。もちろん、パンでもオッケーです。どちらも作ったことありますけど、炭水化物ならだいたいおいしくなります」

ぷりっぷり花えびシュウマイ

「止まらなくなるぐらいおいしい」

そして3つ目は「ぷりっぷり花えびシュウマイ」です。

「こちらは、もともとレシピ本を参考にしたんですけど、電子レンジで簡単に作れるシューマイ風の食べ物なんですよ。シューマイの皮に肉だねを入れて、うまく包んで蒸してっていうのが、普通のシューマイだと思うんですけど、そうではなく、シューマイの皮を買ってきたら、そのままポンと置いて、縦にばーっと刻むんですね。それがシューマイの皮になるんですよ」

まな板の上に皮を重ねて大き目の千切りに。これが、見た目を華やかな仕上がりにしてくれます。

「肉だねはえびやひき肉を入れて、好きな調味料を入れます。僕のレシピでは、調味料をたくさん入れてるんですけど、いっぱい入れたほうが奥深い味、より風味豊かな味になっておいしくなります」

丸めた肉だねと、刻んだシューマイを合体させれば、あとは電子レンジでチンするだけです。

「もう味がついているので、からしをつけて食べたら、止まらなくなるぐらいおいしいです。これは結構いろんな方が作ってくださって、動画を投稿したときもそういう声がいっぱい届いたレシピです」

ケンティー健人さん【写真:Hint-Pot編集部】

一人暮らしを始めた人にアドバイス

ケンティーさんは一人暮らしをきっかけに、料理の世界に開眼しました。春は社会人として一人暮らしを始める人も多い季節です。初心者が失敗しない食事を作るためにはどうすればいいのでしょうか。

「まずは調理器具をそろえようと、フライパンや小鍋を買うと思うんですけど、それだけだと、どうしたらいいか分からないですよね。なので、まずはレシピ本ですね。書店で本当に自分が作ってみたいなって思うようなレシピ本をまず購入するところから始めていいんじゃないかなと思います。一度レシピに忠実に作ってみて、自分で食べて、おいしさを学んでいってほしいです。あとは繰り返すだけで、味の感覚も分かってきます」

料理はすべて目分量のケンティーさんですが、初期のころはとにかくレシピ本を参考に、正しく作ることを心がけたそう。購入したレシピ本は約30冊に上ると言います。

「本当にその中で作りたいと思った料理が一品あったら、そのレシピ本を買うって感じだったんですよ。今はすごく絞って、家に10冊だけ置いてあるんですけど、いっぱい買ってきていましたね。料理研究家さんがしっかりと時間をかけて作ってくださっているのでおいしくできるんだな、と感謝しています」

著書「ケンティー健人の世にもおいしい一人飯」

家族で作っても楽しいメニューに

最後に著書の見どころについて聞きました。

「この本は、自分で実際に作って、おいしかった料理が全部載せてあります。これから自炊を始める方や料理にあんまり興味がない方でも、文字が少なくて、調理工程の写真がすごく多いので、目と感覚で、料理の作り方が分かりやすいレシピ本になっています。1人分よりちょっと多めの量になっているので、家族で作っても楽しくめし上がれる料理がたくさん載っているので、ぜひチェックしていただけたら幸いです」と結びました。

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