橋本環奈、連続テレビ小説「おむすび」の福岡取材会に出席。地元での撮影に「幸せです」

NHK総合ほかで2024年度後期に放送される連続テレビ小説「おむすび」(月~土曜午前8:00ほか、開始日未定)。4月上旬に、物語の起点となる福岡・糸島で行われた取材会に、ヒロイン・米田結を演じる橋本環奈、結の姉・歩役の仲里依紗、祖母・佳代役の宮崎美子、祖父・永吉役の松平健が出席。意気込みなどを語った。

“朝ドラ”111作目となる「おむすび」は、食と人情の街、福岡・神戸・大阪を舞台に、日本の朝に元気と笑顔を届けるオリジナル作品。平成時代のギャル・米田結(橋本)が人々の健康を支える栄養士となり、現代人が抱える問題を、食の知識とコミュニケーション能力で解決しながら、目には見えない大切なものを次々と結んでいく“平成青春グラフィティー”だ。「正直不動産」シリーズ(NHK総合)などを手掛けた根本ノンジ氏が脚本を担当する。

3月23日にクランクインし、主人公が高校時代を過ごしたという設定の糸島では、26日からロケがスタート。これまで市内の海や畑、商店街、高校などで撮影が行われた。

「結にとって糸島はどんな場所なのか?」を問われた橋本は、「結はいつもチャリ(自転車)で田んぼ道を爆走するんですけど、景色がとにかく奇麗。でもそれは彼女にとってはそれが日常で。『糸島が好いとぉ』というセリフもあるくらい、結にとっては食べ物も海も山も畑もすべて、大切な宝物みたいな場所だろうなと思いながら演じています」とキャラクターの思いに寄り添う。

橋本自身も、高校まで福岡で暮らしていたということで、地元での撮影について「純粋にうれしいです。今でも時間があればすぐに実家に帰ってきますし、この撮影期間、福岡に滞在できることが幸せです。幼い頃から両親と糸島に行く機会も多く、カキ小屋に行ったりイヌを連れてドッグランに行ったり、カフェに行ったりしていたので、撮影しながら日々幸せを感じています」と語った。

撮影や米田家の印象について、仲は「同じ九州(長崎)の出身なので、糸島の存在は知っていたのですが、今回実際に海を見て、自然に触れて、なんてすてきな場所なんだと思いました。実の妹から『糸島はギャルの間では映えスポットだよ』といううわさを聞いていたので、実際に来て、おしゃれなカフェがあったりして、これは若者にバズるなと感じました」とコメント。家族でのシーンはまだ少ししか撮影していないそうだが「今後家族のシーンが増えて、お芝居ができることがすごく楽しみです」と明かした。

宮崎は「こんなに大きな孫を持つおばあちゃんで、糸島で野菜を作ったり売ったりして暮らしています。地元の方に手取り足取り教えていただきながら、収穫のシーンを撮影しました。四季折々の魅力を感じながら全国の皆さんにこの“ふるさと感”のある景色が伝わればうれしいです」と話し、「このおじいちゃん(松平)がいる家族ですので、どんなことがあっても乗り越えられると思います」と笑顔を見せ、“家族”の絆をうかがわせた。

そんな祖父は自由奔放な性格で、大のホークスファンという設定。この日も福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)のはっぴを着て登場していた松平は、「糸島には初めて来ましたが、海が奇麗でとてもすてきでした。イベントのステージ上で手品などを披露するシーンを撮影したのですが、地元の方々にエキストラとしてたくさん集まっていただきました。協力していただいた皆さんに笑顔で迎えていただき、本当にうれしかったです。今日も商店街で撮影しましたが、温かい方々ばかり。とてもいい雰囲気で撮影させていただいています」と感謝した。

この日は、“伝説のギャル”である結の姉・歩が糸島に戻り、商店街に登場するシーンを撮影。ギャルのイメージとはかけ離れた格好をしていた歩だったが、そこにはある理由が。仲は「妹や家族との関係性が、こういう服やギャルの服に表れているのでそこにも注目してほしい」とアピール。ギャルファッションについては「令和って、逆に平成の『Y2Kファッション』がはやっているので、若い世代にもこの朝ドラが響くのではないかと思います。私自身、衣装合わせの時に『このベルト持ってた!』とか『このパンツはいてた!』となったので、これからの撮影も楽しみです」と期待を寄せた。

印象に残っているシーンに関して、橋本は、地元のエキストラと共に芥屋の海水浴場で撮影したパラパラを踊るシーンを挙げた。ウィッグや長い爪の“ギャルファッション”に挑戦したものの「あまりの爪の長さに靴下を履くのも大変でした」と苦笑。一方で仲は「私は長い爪が通常。女優をやっていない時がギャルなので、私生活の延長みたいな部分があります」と言って笑いを誘った。

取材会には、制作統括の宇佐川隆史氏も出席。「最初に主人公が糸島に降り立ってお芝居を始めた瞬間、『米田結がいる』と涙が出そうになりました。橋本さん自身の芝居の力もあると思いますが、地元の力を借りて、伸び伸び演じられていると思います」と手応えを感じている様子。

ちなみに、宇佐川氏も福岡出身。主演の橋本と博多弁で会話することもあるそうで、現場の和やかな空気感も伝わってきた。そんなヒロインにさまざまな価値観の家族をぶつけたいということで登場するのが、個性豊かな米田家の人々だ。宇佐川氏は「一筋縄ではいかない家族。それでも一家がそろうと、性格はバラバラなのに息はぴったり。ぜひ本編に期待してほしい」とアピール。

これまでの“朝ドラ”でも食をテーマとした作品があった中、栄養士に焦点を当てたことについては「『食べることは生きること』という戦後からの大きな命題の中、平成という現代に限りなく近い時代を描く上で、もう一歩前に進めないかと考えました。そこで浮かんだのが栄養士というお仕事でした」と宇佐川氏。「コロナ禍や度重なる自然災害を経て、われわれが命をつなぎ健康に生きるためには栄養士のような“縁の下の力持ち”の存在が必要不可欠」と前置きし、「『食べることは生きること』からさらに踏み込んだ『食べることは未来をつくること』というテーマでこの職業を物語の中心に据えた」と明かした。

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