開発したフレーバーは520種類! 「あんこの可能性」を追求する神戸の老舗製餡所に最新事情を聞く

あんこ愛がハンパない製餡メーカーが神戸に存在する

健康志向が広がり、カリウムや食物繊維が豊富に含まれる小豆の持つ栄養価も再評価されている。小豆といえば昔からあんこで食べることも多いが、そんな伝統的なあんこの可能性を追求し、進化させている会社が神戸市中央区にある。『株式会社松原製餡所(※)』代表取締役会長の松原宏さんに、あんこの最新事情を聞いた。

☆☆☆☆

【写真】“あんこの大学”作っちゃいました!

同社の創業は1947年。松原さんは去年の10月、息子に社長の座を譲って会長に就任したばかりだ。同社のモットーは「あんこcan do everything」で、あんこにできないものはないという考えのもと、これまで多くの種類のあんこを生み出してきた。

「消費者をはじめさまざまな方から『こんなあんこができないか』と依頼があったり、我々の社員が独自で開発した結果、今では520種類のあんこがあります」と話す松原さん。果物や野菜のほか、コーヒー・紅茶・ラムネ・赤ワインなどバラエティに富んだあんこまでを開発。“少量多品種生産”という仕組みだからこそ実現できたのだという。

これまでは「BtoB」という形でメーカーからの依頼を受け製造、卸していた。しかし、4年ほど前から瓶入りやパック入りのものを開発し、消費者に直接販売するようになった。そして4月3日には、JR六甲道駅界隈に実店舗をオープンする。新しいあんこの可能性を追求するために、あんこを使ったケーキやまんじゅうを開発していきたいと、松原さんは意気込む。

同社では「松原あんこ大学」と銘打ったプロジェクトで、手軽に作れるあんこのレシピなどを、ウェブやSNSなどを通じて発信している。「若い人にあんこの魅力をもっと知ってもらおう」という考えから始めた取り組みだ。

「あんこの可能性は無限大。どう生かしていくかは我々にかかっている」と話す松原さん。伝統的な食べ物であるあんこを、さらに追及していくことで海外にもっと発信していこうと考えている。松原さんは「これからも消費者にびっくりしてもらいたい。引き続き“あん”ビリーバブルなあんこを消費者の方に届けていきます」と締めくくった。

※松原製餡所の餡の字は正しくは旧字体(※左が食へん、右がつめかんむり、その下に「臼」)

※ラジオ関西『こうべしんきん三上公也の企業訪問』2024年3月12日放送回より

© 株式会社ラジオ関西