子ども向け絵本で知る列車の楽しさ 宮古・三陸鉄道が発行

「子どもたちに三陸鉄道や住んでいる地域を大好きになってほしい」と絵本に願いを込める石川義晃社長

 三陸鉄道(宮古市、石川義晃社長)は開業40周年を記念し、子ども向け絵本「ちいさなさんてつの楽しい駅めぐり」を発行した。大船渡・盛駅を出発して久慈駅までの全41駅(163キロ)をミニチュアトレインと巡るストーリーで、各地の東日本大震災時のエピソードも盛り込んだ。保育施設などに寄贈し、地元の子どもたちに列車に乗る楽しさや地域の良さを伝える。

 絵本はB5判32ページで、1100部を作成した。かわいらしい列車模型が駅舎や三陸の美しい風景と写った写真を南から北へ順に掲載し、三鉄旅にいざなう内容。沿線の名所のイラストのほか、大船渡・三陸駅のページは津波に耐えて残った「ど根性ポプラ」、山田・織笠駅は地域の高台移転など、車窓から見える震災被災地の光景や出来事にも触れているのが特長だ。

 編集と総合監修は三鉄総合企画アドバイザーの草野悟さんが務め、文は久慈市のうべきょうこさんが手がけた。非売品で、製作費はサントリーの「未来チャレンジプログラム」助成や、企業・個人からの寄付を充てた。

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