迫力と優雅さを兼備した女子の体操 時間の流れまで緩やかに…“静と動”を対比させた1枚を激撮

女子決勝、平均台の演技で側方開脚宙返りをみせる岸里奈【写真:中戸川知世】

THE ANSWER編集部・カメラマンフォトコラム

体操の個人総合全日本選手女子決勝が13日、パリ五輪代表第2次選考会を兼ねて群馬・高崎アリーナで行われた。初めて撮影した体操の異次元の動きとスピードに魅了された3時間。“静と動”の差に心を動かされ、夢中でシャッターを切った。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

逆さまになってクルクルと軽やかに舞う。細い平均台の上で横を向き、綺麗に軸が通った上半身。開いた足は思い切り振り上げられた。空中で1回転。手をつかずに再び細い台に着地した。

女子平均台でよく見られる側方開脚宙返り。レンズ越しでは、空中に留まった上半身と振り上げる足の速さが際立って見えた。全体2位に入った岸里奈(16=戸田市SC)。上半身と足による“静と動”の対比を表すためにこの1枚を撮った。

短いキャリアながら多くの競技を撮影させてもらったが、体操には縁がなく、生で見るのも初めてだった。ド素人の私には到底できない異次元の人間の動きとスピードに改めて感激させられた。わかっていても捉えるのが難しいダイナミックな演技。必死にレンズで追いかけた。

しかし、速いだけではない。女子ならではのしなやかさと優雅さ。特に宙に舞う姿は時間の流れがゆっくりになったかのように見え、引き込まれた。

どこを切り取っても絵になる体操。迫力と美しさに魅了されながら、夢中でシャッターを切った3時間だった。

THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa

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