BTSやENHYPENで話題の“カリカリ”のソボロパンが日本で大人気に 韓国の“定番パン”急沸騰の背景とは

日本でも一大ブームとなりそうな韓国のソボロパン 撮影/編集部

「ソボロパン」というものをご存知だろうか。いま若者を中心に注目されている韓国発祥のパンだ。

若者文化や流行の最先端に詳しいトレンドアナリストの太田まき子氏が解説する。

「日本のメロンパンのように、カリカリのクッキー生地が乗ったパンで、韓国では昔からある定番商品。菓子パンのように手軽に食べられるというのが人気の理由です」(太田氏)

このパンが日本で注目されるきっかけとなったのは、年間の経済効果は約50億ドル(日本円でおよそ7650億円)とも報じられるなど、世界的人気を誇る韓国の7人組ボーイズグループ・BTSの存在だ。

「2018年に彼らの冠バラエティ番組『RunBTS!』(韓国ではウェブ番組。日本での放送はTBS系)で行なわれた伝言ゲームのお題でソボロパンが登場。聞き慣れないワードながら“そぼろ”という日本語がついていたこともあって“ソボロパンって何?”と話題になったんです。

そんなソボロパンですが、日本語のそぼろが由来だそう。ポロポロとしたクッキー生地の部分が、そぼろのように見えるからなんだとか」(前同)

韓国では定番商品というだけあって、K-POPファンにはすでにおなじみのパンでもあるようだ。

「つい最近も、“BTSの弟分”として知られる7人組・ENHYPENが出演する配信番組の中で、人気日本人メンバーのNI-KI(18)がソボロパンを食べるシーンが。ファンの間で可愛いと話題になりました」(同)

K-POPアイドルを介して日本でもその名がじわじわと知られるようになったソボロパンだが、ここに来てブレイクの兆しが。24年1月、日本における韓流文化の発信地である新大久保でオープンしたベーカリーカフェ『OKUDO大久堂 오쿠당』のソボロパンが今、大人気になっているという。

「『OKUDO』は、韓国のリゾート地として知られ、映えるカフェが乱立している済州島(さいしゅうとう)のカフェスタイルを踏襲しているという触れ込みです。ソボロパン以外にも、いまZ世代の間で人気を集めるツイスト状の揚げドーナツ『クァベギ』も販売。

韓国トレンドが味わえるカフェということで人気ですね。客層は10代~20代の女性が中心ですが、親子連れやご年配カップルも見かけたりと幅広いです」(同)

■テレビでも相次いで紹介、『ブラックココアチーズ』ソボロパンの魅力とは

ツイスト状の揚げドーナツ、クァベギは『オリジナル』が350円(税込・以下同)のほか、『きなこ』『ブラックココア』『プレーンシナモン』(各400円)などを用意。そしてソボロパンは、450円の『くるみあん』に、『ピーナッツ白あん』『紫芋チーズ』『ブラックココアチーズ』(各500円)などを揃える。

「中でも看板メニューは『ブラックココアチーズ』味のソボロパン。真っ黒の岩のような見た目もインパクトがありますが、中にモッツァレラチーズが入っていて、2つに割るとびよ~んとチーズが伸びるのが特徴です。その“映える”見た目が若者にウケていて、TikTokなどSNSに動画や写真が多数投稿されています」(前出の太田氏)

24年1月に関東の女子高校生100名にアンケートを取った「渋谷トレンドリサーチ」(株式会社アイ・エヌ・ジー)でも「次に来るトレンド」としてソボロパンが挙がっており、特に『OKUDO』の『ブラックココアチーズ』味のソボロパンが注目されていると言及されている。3月にはTBS系『よるのブランチ』やフジテレビ系『めざましテレビ』といった情報番組でも相次いで取り上げられるなど話題沸騰の様相だという。

さらに、同カフェにはドリンクメニューにも注目商品があるそうだ。

「『ハルバンラテ』(800円)ですね。済州島(さいしゅうとう)には、“石で作ったおじいさん”を意味するトルハルバンという石像があります。このトルハルバンに似せたアイスを、牛乳を入れて溶かしながら飲むのが『ハルバンラテ』。珍しいメニューで、おじいちゃん(ハルバン)がミルクのお風呂に浸かっているような見た目が“シュールかわいい”と話題になっていますね」(前同)

アイスがラテの中で溶けていくとシャーベットのような味わいになり、牛乳とともにひんやり爽やかな風味が口の中で広がるという。

「ソボロパンやクァベギといった揚げものとの相性も抜群。一緒に注文する人も多い人気メニューだといいます」(同)

若者の間で音楽・ドラマ・ファッションなどあらゆる方面で定着している韓国人気。そのグルメ部門では24年、「ソボロパン」が先頭を走るのかも。

© 株式会社双葉社