「栃木県B級グルメフェス2024」(同実行委員会主催)がオリオンスクエアと周辺のオリオン通りで初めて開かれました。栃木県の新たなB級グルメを決めようというイベントです。1位に輝いたのは-。
栃木県B級グルメフェスは、本県の食の魅力をPRし、観光や新たなビジネスチャンスの創出につなげようと企画された。発起人の須藤和哉(すどうかずや)さん(36)は「飲食店を営んでいて新型コロナで大変な思いをしました。同じような思いをした仲間がいっぱいいる。県内の飲食店、生産者を盛り上げたい」と話す。
会場を訪れると、イベント開始となる正午、早くも大勢の人でにぎわっていた。事前の人気投票で約50店舗の中から選ばれたという24店舗(フード部門18店舗、スイーツ部門6店舗)が出店。各店舗は千円以下の1品を用意し、売り上げで順位が決まる。
「餃子(ぎょーざ)ドッグ」「ゆば唐揚げ」…。工夫を凝らした品々が並ぶ。中央3丁目、大河原直美(おおかわらなおみさん(42)と貴教(たかのり)さん(8)の親子が味わっていたのは「しもつかれ汁」。2人は「しもつかれが苦手でも食べられますよ」「甘い感じ。おいしい」と教えてくれた。
せっかくなので1品、頂くことに。どれもおいしそうだ。悩んだ末、「宇都宮丼」(700円)を購入した。はて、宇都宮丼とは? と手にしたが、いわゆるギョーザの具がご飯にのっていた。ひき肉とニラの味付けが良く、白菜のシャキシャキした食感がアクセントになりご飯が進む。
スイーツは筒状のクレープ「いちご生チョコブリュレ」(950円)を選んだ。「クレープの皮がもちもち。とちあいかの酸味とカスタードクリームが合う」。
午後8時、結果発表が行われた。フード部門は大陸食道の「栃木県産はみでるサーロイン丼」が激戦を制した。2位はベジ家の「焼豚玉子めし」、3位はPKTの「揚げピザ」だった。スイーツ部門はエンジェルコーヒーの「72時間熟成させたバスクチーズケーキ」が1位に輝いた。
大陸食道の宋佳哲(そうかちょる)さん(36)によると、同店がこうしたイベントに参加するのは初めてという。「地域貢献として、採算を度外視して仲間と開発しました。1位になりうれしい」と喜んだ。現在、同店では優勝を記念して、この品を「とちぎ和牛のはみ出るサーロイン丼」の名称で宇都宮市の宮環豊郷店をはじめ佐野市、小山市、壬生町の各店舗で数量限定で販売している。
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約2万人が来場したという同フェス。作り手側の思いや情熱、そしてその一皿を通して笑顔があふれた一日だった。「予想以上に多くの人に来ていただいた。必ず2回目をやります」と須藤さん。宇都宮市以外でも開催したいと「市町で開催の希望があればお声がけください」と呼びかけた。