毛利元就の銅像、安芸高田に7月建立へ 全国から1600万円の支援、市民有志プロジェクト

粘土で作った元就のイメージ像(ナガエ提供)

 広島県安芸高田市吉田町ゆかりの戦国武将毛利元就の銅像が7月、地元の市歴史民俗博物館の敷地内に設置されることが決まった。住民有志が建立プロジェクトを起こし、クラウドファンディング(CF)や寄付で目標の1千万円を超す支援を集めた。当初予定より一回り大きい座像とし、「郷土の誇り」を広く発信する。

 毛利の里再生委員会の取り組み。高さ2・3メートルの御影石の台座に同1・6メートルの座像を据える。鎧(よろい)をまとった元就が腰に刀を差し、軍配を掲げる姿となる。同博物館は元就の居城・郡山城があった郡山の麓にあり、多くの観光客や登山客が立ち寄る。さらなる観光振興につながればと、市の協力も得て設置場所に選んだ。

 製造は富山県高岡市の会社「ナガエ」に依頼。顔は晩年の肖像画や子孫の写真を基に50代の頃をイメージして仕上げるという。元就の命日である7月16日の墓前祭前の休日に除幕を予定する。

 昨年は、27歳で家督を継いだ元就が郡山城に入城して500年の節目だった。委員会は地元に元就の銅像がなかったため、昨年末から今年2月にかけてCFを実施。企業や個人から1463万5千円が集まり、直接の寄付も含め総額は約1600万円に上った。

 河野芳嘉代表(69)は全国からの応援に感謝し、「予想以上の反響に胸が熱くなった。その思いを銅像に託し、100年、さらにその先へと元就公の訓(おしえ)をつなぎたい」とする。ライトアップや元就にちなんだ多彩なイベントも計画する。

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