【猫と法律】愛猫が亡くなってしまった…自宅の庭に土葬することは問題がある?

引用元:イラスト/タニモトハル

もしも愛猫が他界してしまっても、いつもそばにいてほしいので、自宅の庭に土葬しようと思っています。法律的に問題はないでしょうか? ペットに関する法律にくわしい、弁護士の渋谷寛先生にうかがいました。

自らの敷地内にかぎり埋葬できる。 ただし、近隣の土地や住人に充分な配慮を

引用元:画像/iStock、Getty Images Plus

ペットの遺体の取り扱いについては、特別の規制はないため、火葬をせずに、飼い主自ら土葬することも認められます。ただし、他人の土地や公共の場所に無断でペットの遺体を埋葬することは、軽犯罪にあたります(軽犯罪法第1条27号)。また、埋葬する場所が自宅の庭や自らが所有する土地であったとしても、ペットを埋葬することによって引き起こされる悪臭、虫の発生などによって他人に迷惑をかけてしまった場合には、損害賠償責任を負ったり、埋葬したペットをもう一度掘り起こす必要が生じたりすることも。土葬してから骨に還るまでには数年~数十年かかるといわれているので、その過程でのこうした事態は避けたいものです。

ペットを土葬するにあたっては、埋葬方法をよく調べ、ときには専門業者に相談を。ペットの場合、遺体をまずペット霊園などで火葬したあと、遺骨を引き取り、飼い主の敷地内の土の中に埋葬するという選択肢もあります。いずれにしても、公衆衛生の見地も踏まえて、前記のようなトラブルが発生しないよう近隣の土地や住人にも充分な配慮をしたうえで行う必要があるでしょう。

知っておきたい法律

軽犯罪法 第1条

各号に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。

27号

公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者

参考/「ねこのきもち」2024年3月号『もしものときの猫の法律相談所』(監修:弁護士 渋谷 寛先生)
文/犬神マツコ
イラスト/タニモトハル

※この記事で使用しているイラストはねこのきもち2024年3月号『もしものときの猫の法律相談所』に掲載されているものです。

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