体操界の新絶対エース・橋本大輝 左腕をつるアクシデントもなんのV4「一番の目標はパリ五輪金」

体操の個人総合で4連覇を達成した橋本大輝【写真:中戸川知世】

内村航平以来の4連覇

体操の個人総合全日本選手男子決勝が14日、群馬・高崎アリーナで行われ、パリ五輪代表に内定しているエース橋本大輝(22=セントラルスポーツ)が10連覇の内村航平以来となる4連覇を達成した。予選トップの橋本は決勝でもスコアを伸ばして87.965。体力面に課題を残しながらも、合計176.164で2位に4点近い差をつけた。

スタートは完璧だった。1種目めの床運動で15.000の高得点を出すと、2種目めのあん馬も15.133。「前半はよかった。89点ぐらい行くのではと思いました」と振り返ったが、その後アクシデントに襲われた。

5種目めの平行棒、序盤で左腕をつった。何とか演技をまとめて14.766の得点は出したものの、演技終了後は腕を抱えながら苦悶の表情を見せた。最終種目の鉄棒は「ダメなら途中でやめる」つもりで構成を変えて挑戦。最後まで演技したものの着地は大きく乱れ、予選の15.100から13.800まで得点を落とした。

大会前には「連覇は考えていない」と話していた。今季初戦となる今大会はパリ五輪へ向けた準備。「冬場にやってきたことを確認する。ケガをすることなく、ミスなく2日間演技すること」が目標だった。ところが体力面の不安が露呈。「2日間通しきれるかと思っていたけれど、後半にバテてしまった」と振り返った。

もっとも、この舞台で課題が見つかったことには前向き。「体力面は心配していた通りだったので、NHK杯までに修正したい」。さらに「パリまでに何をすべきなのかを確認するのが今大会だったので」とアクシデントも前向きに捉えた。

東京五輪で個人総合と種目別鉄棒で金メダルを獲得。パリ五輪では団体総合も含めて頂点を狙う。全ては今夏の五輪に向けた準備。「一番の目標は、パリで金メダルを獲ることなので」。新たな絶対エースは力を込めて言った。(荻島 弘一)

THE ANSWER編集部

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