36歳妻が大粒の涙…“些細なきっかけ”で会社経営者・夫の浮気が発覚。「慰謝料より重い」不倫の代償【相続診断士の探偵が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

不倫をしてバレても「慰謝料を払えば済むだろう」と考えている方もいるかもしれませんが、じつはそれ以外にも多額の違約金がかかる可能性があります。MJリサーチ綜合探偵社の取締役であり、夫婦カウンセラー、相続診断士でもある若梅秀孝氏が、実際に寄せられた依頼内容をもとに解説する本連載。この記事では、わずかなきっかけで、結婚して6年目を迎える会社経営者の夫が不倫していることに気づいた、36歳妻の依頼内容をもとに詳しく解説します。

妻が会社経営者の旦那の浮気に気づいたきっかけは……

今回の相談者は、会社経営者の旦那と結婚して6年目を迎える佐藤綾さん(女性・36歳)です。

佐藤さんの2歳年上の旦那さまは、会社経営者として忙しい毎日を送っています。帰宅が深夜になることも多く、遠方に泊りがけで出張に出かけることもあります。佐藤さんは、仕事だから仕方ないと思って過ごしていましたが、ある日、旦那さまのスーツに女性のものと思われる長い髪の毛がついているのを発見し、不安になりました。

「最初は、満員電車の中でたまたま近くにいた女性の髪の毛が付着したのかなとも思いました。でも、旦那は普段、車を使って移動しています。出張のときに新幹線で移動することはありますが、満員電車に乗ることはないはずです」

佐藤さんは、いつも優しい旦那が浮気をしているとは思いたくありませんでした。しかし、旦那が出張中の夜にLINEをしても返信がなくて、「女性と一緒にいるのでは」と疑ったことが過去に何度かありました。「やっぱり浮気しているかも」と不安になった佐藤さんは、MJリサーチに相談にきたのです。

友達からも羨ましがられる理想の旦那だったはずが……

佐藤さんと旦那さまとの出会いについて、佐藤さんはこう話します。

「旦那とは大学のテニスサークルで出会いました。俳優の向井理似で、誰にでも優しい旦那は女性からモテたので、告白されたときはとても嬉しかったです。2歳年上の旦那が先に大学を卒業してからは遠距離恋愛になり別れてしまったのですが、6年前に再会して、再び付き合うようになり、その後しばらくして結婚しました」

佐藤さんの旦那さまは優しくて穏やかな性格で、結婚後も佐藤さんのことを大切にしてくれました。

「2年前に子どもが生まれたのですが、休みの日は旦那がよく面倒を見てくれますし、家族で公園に出かけて一緒に過ごすこともあります。友達からも羨ましがられる理想的な旦那です。だから、浮気を疑ったときも、そんなはずはないと自分に言い聞かせていました」

佐藤さんは、周囲が羨む理想的な旦那さまと、子どもにも恵まれて、幸せな結婚生活を送ってこられました。しかし、佐藤さんのように良好な夫婦関係を築いていたとしても、片方が浮気をしているというケースは珍しくありません。

佐藤さんが浮気調査を行うか迷った理由

佐藤さんは旦那の浮気調査を行うかどうか迷っていました。

「浮気調査の結果、旦那が浮気をしていたことが明らかになったら、離婚しなければならないという気がして……」

佐藤さんのように考える方もいらっしゃいますが、実際に浮気調査を依頼する依頼者の多くは、離婚を望んでいません。

浮気調査の結果、配偶者が実際に浮気をしていることが明らかになったとしても、浮気の証拠を掴めば有利な立場に立てるので、「浮気相手と二度と会わない」という内容の誓約書にサインをしてもらうなどの対策ができます。そのため、「離婚をしないで円満な夫婦生活を続ける」という希望を叶えられる可能性も高くなります。

マンションの一室で不倫相手と密会

佐藤さんは、円満な夫婦生活を続けるためにも浮気調査が重要だということを知り、浮気調査を依頼することを決意しました。

佐藤さんから依頼を受けて、佐藤さんの旦那の浮気調査を実施したところ、佐藤さんの予想どおり浮気をしていることが明らかになりました。

こちらが、佐藤さんの旦那さまの浮気調査の結果です。

18時06分:車で会社を出る

18時15分:最寄りの駅で女性が車の助手席に乗り込む

18時26分:セブンイレブンに寄り、二人でワインと総菜とナッツを購入

18時39分:住宅街のマンションの駐車場で一緒に車を降りる

18時43分:マンションの部屋に二人で入る

翌日

8時35分:佐藤さんの旦那さまがマンションの部屋から一人で出てくる

8時39分:マンションの駐車場から車を発進

9時24分:会社に到着

調査を開始した日は、佐藤さんは旦那さまから「大阪に泊まりで出張に行く」と聞いていました。しかし、実際は都内にある会社を車で出た後、最寄りの駅で女性を車に乗せ、会社から3駅ほど先の住宅街にあるマンションで女性と二人で一晩過ごしていたのです。

女性が車に乗り込む様子や、二人で仲良くコンビニで買い物をする写真が時系列で並んだ報告書を見て、佐藤さんはショックを受けて大粒の涙をこぼしていました。

慰謝料よりも重い不倫の代償とは

佐藤さんの旦那さまのように、家庭では良き夫・良き父親である男性が、外では浮気をしているケースは少なくありません。しかし、奥さまが探偵に調査を依頼して客観的な証拠を掴んでしまうと、大きな代償を払わなければならないので注意が必要です。

「慰謝料を払えば済むだろう」と考えている男性もいますが、そうはいきません。奥さまが離婚を望まない場合は、不倫相手との接触禁止の約束と違約金(1,000万円程度のことが多い)を明記した誓約書にサインをさせられる可能性が高いです。そうなると不倫相手の女性とは二度と会えなくなります。浮気をした場合は有責配偶者となるので、自分が離婚を望んでいても、配偶者が望まない場合、離婚はできません。

会社経営者の方の中には、不倫相手と密会するために妻に内緒でマンションを購入しているケースもありますが、弁護士会照会制度を利用すれば、そのマンションの名義を調べることも可能です。奥さまが離婚を希望した場合は、不倫相手のために購入したマンションも財産分与の対象になります。

奥さまが探偵に依頼して調査を行った場合、奥さまは旦那さまと浮気相手の女性とが親密な雰囲気でいる写真が並んだ報告書を目にして大きなショックを受ける可能性が高いです。浮気されたことが心の傷として残り、何年経ってもフラッシュバックするという非常に辛い経験をされる方もいらっしゃいます。

奥さまの心を深く傷つけて、奥さまからの信頼を失ってしまう。それは、経済的な損失以上に大きい、不倫の最大の代償といえるのではないでしょうか。

若梅 秀孝

MJ リサーチ綜合探偵社

取締役

© 株式会社幻冬舎ゴールドオンライン