100万円以下の初期投資で、月10万円の収益も…会社員の副業にピッタリな「賃貸ビジネス」とは【メガバンク出身のコンサルタントが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

“サラリーマン大家”という言葉があるように、代表的な副業として「大家業(不動産賃貸業)」が知られています。さらに近年、伝統的な大家業以外に、会社員がはじめやすい“ユニークな投資”が増えていると、メガバンク出身のコンサルタントで『50代 お金の不安がなくなる副業術』(エムディエヌコーポレーション)著者の大杉潤氏はいいます。そんな「注目の新たなビジネス」について、具体例をみていきましょう。

安定した稼働が期待できる「都市型トランクルーム」

クローゼット代わり、趣味、行事の道具…用途の範囲は無限大

不動産賃貸業の中でも、伝統的な大家業以外に新しいタイプの不動産業が次々と生まれて注目を集めています。家の近くで見かけることが多くなった人もいると思いますが、「都市型トランクルーム」の賃貸というビジネスが会社員の間でも広がってきました。

株式会社UK Corporation代表取締役の浦川浩貴氏が書いた『完全解説 都市型トランクルーム経営』(幻冬舎)によれば、収納ビジネスは用途の範囲が広く多様性があるため、安定した稼働が期待できると言います。

たとえば、趣味のコレクションを収納、キャンプ道具一式を収納、クローゼット代わりに使用、さらに法人による需要も根強くあるそうです。著者の浦川氏は、2016年からトランクルームの運営管理と開発分譲に着手し、日本で初の区分投資型のトランクルーム事業を始めたそうですが、実績では利回り15%を実現していると述べています。

そうした点を含めて同書では、都市型トランクルーム経営のメリットとして、次の9点を挙げています。

1.高利回りが望める

2.維持のための手間がかからずコストも少ない

3.安定的に稼働する

4.駅近でなくても競争力がある

5.築古の建物でもOK

6.税金対策になる

7.クレームやトラブルが起こりにくい

8.災害や不景気にも強い

9.都市部でも不動産投資ができる

こうした特徴のある不動産賃貸業は、時代の潮流に合えば有望な副業になります。ただし、環境変化も激しく、自分が好きな分野でないと情報収集・分析も遅れがちになって、変化によるリスクに対応できないこともあります。

そういう意味で、賃貸ビジネスは投資額もある程度の規模になるため、自分が好きで新たな情報収集を楽しんでできるという方にだけお勧めしたいビジネスです。

「レンタルスペース投資」は競合が少ない“ブルーオーシャン”

もう1つ、ユニークな新ビジネスとして、「レンタルスペース投資」を紹介します。株式会社トータルクリエイツ代表取締役の坂口康司氏が書いた『堅実な資産運用をしたいならこの1冊! レンタルスペース投資の教科書』(自由国民社)によれば、レンタルスペースは「時間貸し」ビジネスであり、不動産を所有するオーナーでなくてもできるのが特徴です。

要するに、部屋を借りて、そこに付加価値をつけて転貸するという形態の新しいビジネスです。坂口氏によれば、レンタルスペース投資には次のような特徴があり、まだまだブルーオーシャンで競合がそう多くない今がチャンスだと言います。

1.集客プラットフォーマーは上場しており、マーケットが成長している

2.100万円以下の初期投資で、月10万円の収益も可能

3.運用代行会社の活用などにより労力がかからない

4.運用形態はさまざまだか、パーティー用がお勧め

5.利用者は写真の第一印象でスペースの予約を決める

6.予約に直結する写真の極意は「明るさ」と「賑やかさ」

7.顧客トラブルを減らすためにできるポイントがある

このレンタルスペース投資は、自己所有物件の場合なら、出口戦略として民泊に転用したり、売却したりするなどの方針変更も柔軟にできると言います。また、副次的な効果として、飲食店経営など店舗経営のプレ体験になるメリットもあるそうです。

飲食店経営に比べてリスクが少なく、パーティー用の時間貸し運用を経験することで、お客さまのニーズや接客ノウハウが学べると言います。

また、集客用に掲載する写真が最大のポイントになるため、一眼レフカメラの活用など写真撮影が好きで得意な人の副業として有望です。

坂口氏自身も、独立前の仕事で培ったITや写真撮影、映像制作というクリエイティブ面の強みを発揮できたからこそ、レンタルスペース投資がうまくいったと述べています。

会社員がチャレンジしやすい…注目の「キャンピングカーレンタル」

不動産以外の賃貸ビジネスとしては、自家用車やバイクを使わない時にレンタルするカーシェアリングが広がってきました。とくに日本の都市部では若者のクルマ所有離れが加速していて、自動車メーカーは大きな危機感を持っています。

“月4日の貸し出し”で収益はプラスに

そうした中で、今、キャンピングカーのレンタル事業が注目されています。Aさんは「鹿児島観光ガイド」という観光ポータルサイトを運営していて、子ども連れの観光としてキャンピングカーの需要があることに気づき、レンタルする事業を始めました。投資額とレンタル料金は次の通りです。

1.投資額:550万円(中古キャンピングカー購入)

2.レンタル料金:平日/1万9,800円(1日)、土日祝日/2万5,600円(1日)

ハイシーズンは10%増、リピート割引5%などきめ細かくレンタル料金を設定しています。月に3日の貸し出しができれば、ローンや税金など諸経費をまかなえて、4日目以降の貸し出しが収益になると言います。観光需要が回復してきた2023年3月は25万円の収益になったそうです。

B氏も楽しみながらさまざまな副業を手掛けている達人ですが、キャンプが趣味であることを活かし、マッチングサイトを活用したキャンピングカーのレンタル事業を始めました。

レンタル料金は1日1万6,000円で、コロナ禍でキャンプが隆盛になったことから、貸し出し時に利用者に1時間程度の説明をするだけで、いい時は月10万円程度の収益になっているそうです。

賃貸ビジネスについても、物販ビジネスと同様、自分が好きで得意なものに特化して、自分ならではの独自性や特徴を出して、楽しみながら行っていくのが秘訣です。みなさんも自分の好き、得意、強みを活かした副業を考えてみませんか。賃貸ビジネスは会社員が入り口として始めやすい副業です。

大杉 潤
経営コンサルタント/ビジネス書作家/研修講師

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