1千億元規模のデジタル経済産業チェーン構築目指す 中国甘粛省慶陽市

1千億元規模のデジタル経済産業チェーン構築目指す 中国甘粛省慶陽市

まもなく完成、稼働開始する中国電信慶陽クラウドコンピューティング・ビッグデータセンター第1期プロジェクト。(2023年9月5日撮影、慶陽=新華社記者/梁軍)

 【新華社蘭州4月15日】中国の全国一体化計算力ネットワーク甘粛ハブノード慶陽データセンタークラスターのコンピューティング処理速度がこのほど、6千ペタフロップス(1ペタフロップスは1秒間に1千兆回の演算)を突破し、同ハブノードの計算能力が大幅に向上したことを示した。

 中国甘粛省東端に位置する慶陽市は、かつては同省の貧困脱却堅塁攻略における主戦場の一つで、2020年に農村部の絶対的貧困と地域の全体的な貧困が解消された。21年から同市は、中国東部のデータ処理需要を西部のコンピューティング能力で賄うことを目的とした国家事業「東数西算」プロジェクトを経済・社会の質の高い発展の重要な機会と捉え、計算能力の質の高い供給、データの高効率の流通といったデジタル経済発展の高みの構築に注力し、貧困脱却地域の「ファストレーン」走行を推進している。

1千億元規模のデジタル経済産業チェーン構築目指す 中国甘粛省慶陽市

電気設備の調整段階に入った国家ハブノード(甘粛)計算資源調整センタープロジェクト。(3月14日撮影、慶陽=新華社記者/梁軍)

 同市は今年3月、1千億元(1元=約21円)規模のデジタル経済産業チェーン構築を目指し、複数の新たな政策を相次いで発表した。同時に、河南省鄭州市、陝西省西安市と結ぶ人材採用活動「人材専用列車」を計画、デジタル経済人才の運賃補助政策を打ち出し、より多くの国内外のデジタル経済人材を同市へ呼び込むことを目指している。

 計算能力向上のほか、データ伝送ネットワーク建設でも進展があった。慶陽市は、西安、北京、上海、広州など重点都市へのダイレクトリンクを開通、甘粛省蘭州市を経由して省外に向かう従来のルーティング方式を変更し、ネットワーク遅延を大幅に低減した。

 慶陽データセンタークラスターは、第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)期間末までに標準サーバーラック約30万台を追加し、直結ネットワークシステムを全面的にリンクさせ、北京や上海など重点都市への遅延を10ミリ秒以内に抑えることで、データセンタークラスターの形をおおむね整え、1千億元の年間生産額、3万人の雇用創出を実現していくという。(記者/梁軍)

 

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