手術時の人為的ミスで誤った血管切断、患者死亡 吹田市民病院が謝罪

2021年に市立吹田市民病院(大阪府)の医師が腎臓の摘出手術時に誤って血管を切断、患者が死亡する医療事故が起きていたことが分かった。15日付で病院が発表した。

腹腔鏡による手術で人為的ミス

 病院の発表によると、左腎細胞がんと診断された患者について、2021年6月24日にロボット支援下による左腎部分切除術を開始したが、血管周囲組織の癒着が強く進行がんの可能性も考えられたため、ロボット支援下による部分切除を断念、腹腔鏡下による左腎摘出術へ移行した。その後、腎臓に繋がる血管のみを切除するはずが誤って腹腔動脈と上腸間膜動脈を切断してしまったという。急遽開腹手術で止血処置などを試みたが、手術術中に出血性ショックで死亡した。調査委員会を立ち上げ調べたところ、こうした経緯が判明したとしている。

 病院はこの日の発表で、死亡した患者と家族にお悔やみと謝罪を表明。緊急時を想定したトレーニングを継続して行うなど再発防止策を実施しており、2度とこのような事故を起こさないよう全職員あげて取り組むとしている。なお今回遺族と和解が成立し、公表について同意を得られたため発表した。

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