奥田瑛二、北村有起哉が「完全無罪」で主演・広瀬アリスと対峙

奥田瑛二北村有起哉が、WOWOWで7月7日から放送・配信がスタートする「連続ドラマW 完全無罪」(日曜午後10:00)に出演することが分かった。また、本作で起こる事件の舞台となる“怪物の家”で撮り下ろされた、不穏な空気が漂うビジュアルも公開された。

広瀬アリス主演の「連続ドラマW 完全無罪」は、大門剛明氏によるミステリー小説「完全無罪」(講談社文庫)を原作に、映画「星の子」「MOTHER マザー」(ともに2022年公開)などを手掛けてきた監督・大森立嗣氏が脚本と監督を務めるミステリードラマ。21年前に起こった少女誘拐殺人「綾川事件」と同時期に起こった別の少女誘拐殺人の被害者である松岡千紗(広瀬)は、時を経て弁護士となり、当時の事件について調べ直すことに。弁護士としての職業倫理と、自らの過去とのはざまで葛藤しながらも、真実を追求していく千紗。そんな千紗役で本格ミステリー作品に初挑戦し、新しい一面を見せる広瀬の演技にも期待が高まる。

北村が演じるのは、千紗が調査する、21年前の少女誘拐殺人「綾川事件」の容疑者・平山聡史。無実を主張する平山は、事件の被害者の1人である千紗の強い探求心に突き動かされながらも、どこかミステリアスで不穏な空気をまとっている。

そんな平山を怪演する北村は「WOWOWのドラマではいつも一筋縄ではいかない難しい役をいただいております」と前置きし、「今回もやりがいのある役に挑戦させていただきました。しかも『いつかはぜひ!』と心にしまっていた念願の大森監督とご一緒できまして、とてもうれしかったです」と喜びを明かす。

撮影を振り返り、「原作を読み返してだいぶ参考にしましたが、時には忠実に、時には独創的に自由に芝居ができたのも、緩急のある大森組の居心地がよかったからだと思います。そして、広瀬アリスさんと2人きりで、何度か大変なシーンを撮りました。彼女のギリギリの震える演技がこちらにも伝播して、おかげで私も集中して演技をすることができました」とエピソードを披露。続けて「気軽に見始めちゃっても、もう絶対に結末が知りたくなる、そんな物語です。最後の最後までどうぞ固唾(かたず)を飲んでご覧くださいませ」とアピールしている。

そして、奥田が扮(ふん)する「綾川事件」を担当していた元県警刑事であり、今は被害者サポートセンターで働く有森義男。被害者遺族に寄り添う時間の中で、平山が真犯人だと信じて止まず、冤罪(えんざい)を主張する平山にさらなる疑念を抱く有森は、再審裁判において千紗と対峙(たいじ)する。

被害者遺族の思いを背負い、真相解明のキーマンである有森を演じるにあたり、奥田は「大森立嗣監督と聞いて二つ返事で『演(や)る!』と答えた。いや、演ると答えてしまった。傲慢不遜(ごうまんふそん)に言えば、『この作品は等身大からのデフォルメだ』と訳の分からない理屈をつけてその気になっていた」と、オファーを受けた際の心境を述べる。

さらに、「ところが、クランクインが近づくにつれ精神混濁状態、『どうすればいいんだ! この役…』。平静を装い撮影開始となった。楽しい、つらい、うれしい、苦しい、七転八倒。NGのオンパレード、そんな小生を監督は優しく、強く粘ってくれた。助けられました。そしてもう1人、主演の広瀬アリスさんである。初共演である。彼女は主人公の弁護士同様、常に真っすぐな視線、難敵である台本を見事に演じ切った。彼女の存在感にも小生、救われたのである。とにもかくにも見事な作品に出来上がったことは言うまでもないのである。こんな私は有罪? 無罪?」とコメントを寄せている。

実際に物語の舞台となる香川県での撮影を実施し、フィクションながら現実でも起こっている再審請求、冤罪事件の裏側にある人間模様をリアルに映し出す「完全無罪」。たどり着く結末に心揺さぶられる作品に期待が高まる。

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