DeNA復帰の筒香嘉智に求められる“チームのまとめ役”という重責

米メジャーリーグ・ジャイアンツからオプトアウトした筒香嘉智外野手(32)が2019年以来、5年ぶりに横浜DeNAへ復帰する。4番打者で2017年にはチームを日本シリーズにも率いた大砲は、1998年以来遠ざかっている優勝をもたらす一因となるのか――。

ここにきて日米通算223本塁打をマークした筒香の身辺が騒がしくなっていった。

「一報出した日刊スポーツが一貫して『DeNA復帰』としているのに対して、ライバルのスポーツニッポンは『巨人入り決定的』と断言し、騒動が拡大。複数球団と交渉を重ねているが、結果、DeNAに復帰した。窓口はメジャー移籍の時から世話になっているジョエル・ウルフ氏で、感情論にはならず純粋に契約年数、年俸、引退後のことなど条件面を吟味した結果だと思われる」(球界関係者)

DeNAは、筒香が渡米した後も毎年のように接触を続けていたという。

「球団地元の横浜高校出身で、球団としてはずっと特別な選手だった。和歌山県出身ですが横浜のイメージが強く、さらにファンにとっては人気者。興行、営業面でも相当な数字を見込めるはず。球団としても公式、非公式を問わず常に特別な選手であることは伝えており、本人も感謝の言葉を口にしています。メジャーでの挑戦が残念な結果だと思われますが、報道にもあるように失意の中とはいえ戦力として呼び戻すことは、球団としては歓迎している」

戦力では直球への対応や守備での不安など、微妙な評価を受けることも多いが、チームのまとめ役としてのポジションにはうってつけの人材だろう。

「ドラフト1位ルーキーの度会隆輝など、近年のDeNAは若手選手が台頭してきた。ところがベテランに目をやると大和、宮崎敏郎など実力派の選手もいるが、チームの先頭に立って選手らを鼓舞するキャラクターではない。勢いに乗って勝てるときは連勝を重ねるが、ひとたび下降線をたどるとなかなか連敗を止めることができないのが近年のDeNA。そこで筒香の存在です。2017年に甲子園でのクライマックスシリーズで泥まみれになりながらバットを振ってチームに勝利を導いた姿は、今やチーム内でも語り草になっている。動ける“レジェンド”として復帰するのは大歓迎だと思います」(球団OB)

最近の試合中で負傷交代、2軍降格の助っ人オースティンが不在で、戦力ダウンしたところに筒香が戻ってくれば穴埋めできるチャンスは到来するだろう。筒香の決断を見守りたい。

© 株式会社サイゾー