佐世保・日宇の乗り合いタクシー 「すずかけ」が本格運行 「交通不便地区」の利便性向上へ

第1便の乗り合いタクシー「すずかけ」に乗り込む乗客=佐世保市、日宇地区コミュニティセンター

 長崎県佐世保市と日宇地区自治協議会、国際タクシーは15日、同地区で定期運行型乗り合いタクシー「すずかけ」の本格運行を始めた。同地区は路線バスがほとんど通っていない「交通不便地区」となっており、市は乗り合いタクシーの導入で利便性の向上に期待している。
 日宇地区では、昨年9月から11月末まで利用状況など調査するため乗り合いタクシーの社会実験を実施。維持基準(1便当たり2人以上)に達したことで本格運行となった。
 同日、出発式が同地区コミュニティセンターであり、住民らがドライバーに花束を贈り、第1便を見送った。
 日宇地区自治協議会の川上眞毅会長は「高齢者が多いので非常にありがたい。買い物や病院に行くのが大変だった。永続的に運行されることを願っている」と話した。
 3者は今後、2、3カ月に1度、状況報告を行い、停留所の数やルートなどについて改善点や課題がでれば地域と協議しながら対応していく。市は、他の公共交通の空白地域でも、それぞれの地域に合わせた運行内容を検討していく。
 「すずかけ」は、「日宇支所前」を発着点に14の停留所を通り大和町を時計回りに走る循環ルートと、「日宇支所前」と「黒髪バス停」を11の停留所を通り往復するルートの2ルート。
 月曜から金曜(土日祝日は運休)まで運行し、各ルート1日3便。運賃は1人310円(小学生以下は160円)。

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