低速で蛇行する車 居眠りと思ったら… 人命救助で署長感謝状 長崎・諫早の藤山さん 

感謝状を受け取った藤山さん=諫早署

 意識がもうろうとしたドライバーを救助し交通事故を防いだとして、諫早署は16日、長崎県諫早市川内町の会社員、藤山麗奈さん(37)に署長感謝状を贈った。
 同署などによると、藤山さんは1月30日午前11時半ごろ、同市猿崎町の国道を運転中に前を走っていた軽乗用車が低速で蛇行し、対向車線にはみ出したのを目撃。急いで停車し、軽乗用車に駆け寄った。
 軽乗用車には50代の男性が1人で乗車。最初は居眠り運転かと思ったが助手席の窓をたたいても反応がなく、低速で走り続ける車の運転席側に回ってドアを開けると、男性は吐血してぐったりしていた。藤山さんは車外からハンドルを操作し、そばのコンビニ駐車場に停車。119番した。
 男性は病院に搬送され入院したが回復。後日、退院した男性からお礼の言葉を受けたという。松本武敏署長から感謝状を受け取った藤山さんは「亡くなった義父が人を助けたという話や、看護師だった母が近所の人を蘇生する場面を目の当たりにした体験が頭の中にあり、今回の行動につながったと思う。1人の命が助かってよかった」と笑顔を見せた。

© 株式会社長崎新聞社