「そのぎんサーモン」出荷開始 NOMURAが町長に報告 長崎・東彼杵で陸上養殖

「そのぎんサーモン」を手にする野村社長(右)と岡田町長=東彼杵町役場

 長崎県東彼東彼杵町中岳郷でサーモンの陸上養殖を手がけるNOMURA(大村市)の野村一社長が15日、東彼杵町役場を訪問した。岡田伊一郎町長に「そのぎんサーモン」のブランド名で出荷を始めたと報告した。
 ブランド名は方言で「彼杵のサーモン」を意味し、町の特産品「そのぎ茶」にあやかった。NOMURAは2022年、指定管理者が決まらず遊休地となっていた町の野外施設「龍頭泉いこいの広場」を購入。標高約400メートルで平地より気温が3~4度低い立地を生かし、敷地の一部でサーモンの陸上養殖やキノコ栽培を手がけている。
 昨年6月に4基の水槽を設け、陸上養殖を開始。当初20センチだった魚は50センチ、2キロ以上に育った。2月下旬、長崎市内のホテルに初めて納品。4月下旬からは大村市内の大手スーパーでプライベートブランド「夢乃サーモン」として扱う。
 NOMURAによると、サーモンは臭みがなく、程よい脂のりと適度な弾力が特長という。冷凍せずに生で出荷できる。野村社長は「負の遺産ともいわれた土地を有効活用できた。当面は期間限定の出荷になりそうだが、将来、町のふるさと納税にも貢献できれば」と意欲を見せた。今後、水槽を増設する予定。
 刺し身を口にした岡田町長は「いける」と評価。「新たな特産品として期待している」と話した。

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