中国とBRICS諸国間の貿易、緊密さ増す 税関総署

中国とBRICS諸国間の貿易、緊密さ増す 税関総署

ブラジルに輸出されるリチウム電池を搭載した入れ替え用機関車。(資料写真、株洲=新華社配信)

 【新華社北京4月17日】中国税関総署の呂大良(りょ・だいりょう)統計分析司長兼報道官はこのほど、国務院新聞(報道)弁公室の記者会見で、新興10カ国で構成されるBRICSについて、中国とほかの加盟国間の貿易が緊密さを増しており、中でもロシア、インド、ブラジル、南アフリカの4カ国との貿易額は2009年の9602億1千万元(1元=約21円)から23年には4兆3200億元と年平均11.3%増え、同じ期間の中国の貿易額の伸びを3.8ポイント上回ったと説明した。呂氏は次のように述べた。

 BRICSの協力メカニズムは24年にサウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、エチオピアが正式に加盟したことで新たな段階に入った。中国とほかの9カ国は各分野の協力で高い相互補完性を有し、輸出入でそれぞれの特色を持つ。中国の第1四半期(1~3月)の対9カ国貿易額は11.3%増の1兆4900億元で、中国の貿易全体の14.7%を占めた。

 中国はブラジルにとって最大の貿易相手国と輸出先で、ブラジルは中国にとって中南米地域最大の貿易相手国となっている。中国の1~3月のブラジルへの輸出額は25.7%増の1142億8千万元、ブラジルからの輸入額は30.1%増の2080億元で、輸入の伸びが大きかった。ロシアとの貿易も拡大を続け、23年には両国の指導者が制定した貿易額を年間2千億ドル(1ドル=約155円)にするとの目標を前倒しで達成した。今年に入ってからエネルギーや自動車、一般機械・設備などの貿易が伸びを維持している。インドとの貿易は5四半期連続で前年同期比プラスとなり、1~3月は8.5%増と良好な発展の勢いを保った。南アフリカは14年連続で中国にとってアフリカ最大の貿易相手国となり、中国の1~3月の南アフリカへの輸出額は351億1千万元、南アフリカからの輸入額は664億6千万元だった。

 中国とサウジアラビア、UAEはエネルギー貿易分野で良好な協力関係を保っている。1~3月には両国とも中国のエネルギー製品輸入相手上位10カ国に入った。中国はインフラ分野でエジプト、エチオピアと実務協力を展開し、1~3月は同両国に対する海外での請負工事に伴う輸出額が急増した。イランでは中国の日用雑貨が高い人気を集め、1~3月の市場調達貿易方式によるイランへの輸出が15.2%増加した。

 国際通貨基金(IMF)は発展途上国について、24年のモノ・サービスの貿易量が4.5%増え、伸び率は世界平均の3.3%を上回ると予測。BRICS諸国は新興市場と発展途上国の代表として、足元の世界経済回復と貿易拡大の「加速器」になるとみられる。

© 新華社