中国経済、1~3月期は5.3%拡大 市場予想上回る

大井真理子、ビジネス記者

中国国家統計局は16日、同国の1~3月の国内総生産(GDP)が前年同期比5.3%拡大したと発表した。不動産危機が深まる中でも、市場予想の4.6%を上回った。

世界第2の経済大国である中国は3月、今年の経済成長率目標を野心的な5%前後に設定している。

一方、消費者信頼感の主要指標となっている小売売上成長率は、3.1%に縮小した。

市場調査会社ムーディーズ・アナリティクスのハリー・マーフィー・クルーズ氏は、BBCに対し、「成長を永遠に作り出すことはできない。中国が5%前後の成長目標を達成したいなら、家計を計画に入れる必要がある」と指摘した。

困難に直面している不動産部門では、投資が前年同期比で9.5%減った。

統計は、中国が現在進行中の不動産市場の危機と闘い続けている中で発表された。国際通貨基金(IMF)によると、不動産セクターは同国経済の約20%を占めている。

最新のデータによると、3月の新築住宅価格は過去8年間で最速のペースで下落した。

不動産業界の危機は、今年1月に不動産大手の中国恒大集団(エバーグランデ)が香港の裁判所から清算を命じられたことで浮き彫りになった。

同業の碧桂園(カントリーガーデン)と世茂集団(シーマオ)も、同市で清算の申し立てを受けている。

格付け会社フィッチは先週、中国が経済的な課題に直面し、財政へのリスクが高まっているとして、中国の見通しを「ネガティブ」引き下げた。

3月に開催された全国人民代表大会(国会に相当)では、2023年の経済成長率が5.2%だと発表された。

何十年もの間、中国経済は好調で、公式発表ではGDP成長率は年平均10%近くに達していた。

(英語記事 China economy grows faster than expected in first quarter

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