SNSで「下着姿の写真を送って」になぜ応じる? 大人も騙される「グルーミング」の手口

メ~テレ(名古屋テレビ)

この季節、新しくスマートフォンを手にした子どもも多いのではないでしょうか。気を付けたいのがSNSをめぐるトラブル。子どもたち自身でも見極めるのが難しい「グルーミング」という手口に注意です。

愛知県一宮市の今伊勢中学校の体育館に集まった生徒が受けていたのは、犯罪から自分自身を守るための特別授業です。 「SNSに投稿する行為は、社会的責任を負うということがあります」(愛知県警少年課 渡辺真理子さん) 警察庁の統計によりますと、SNSが原因とされる被害を受けた子どもの数は去年1年で1665人。 児童ポルノと児童買春の被害が約半分を占めていて、「性被害」が目立ちます。 なかでも特に気を付けたいのが「グルーミング」という手口です。 SNSなどで子どもを手なずけて、頼みを断れないようにし、性的な画像や動画を送信させるなどの行為です。

大人もだまされる「グルーミング」

授業では、こんな事例が取り上げられました。 A子さんは、友達とカフェに行った時の写真をSNSに投稿。そこに「同年代だ」として男がA子さんに直接メッセージを送ってきました。 SNS上でやり取りを続け、悩みを聞いてもらうなどしているうちに、男のことを「いい人」だと思ってしまったA子さん。 「下着姿の写真を送ってほしい」などと言われ、断れずに写真を送ってしまいました。 「気づかない子は自分がだまされていると思っていないので、真剣に交際していると思い込んでいる人もいます。親切な行為なのか、グルーミングなのか、どう見分けたらいいと思いますか?これ、とても難しいです。大人もだまされています」(渡辺さん)

「自分も被害にあうかもしれないという意識を」

性的な目的を隠し、子どもに寄り添い、共感を示して近づく手口のため、子どもたち自身が被害に気付きにくい点も指摘されています。 「見たことない人にネットで話しかけることがまずよくないと思う」(中学1年生) 被害にあわないために、生徒自身が話し合って考えていきます。 「恥ずかしい写真は、他の人に共有しないようにする。写真をもたないようにするというのを気をつけたいと思います」(中学1年生) 「こういった被害があるとニュースであっても、自分は違うだろうと思ってしまうので、自分も被害にあうかもしれないという意識を持ってほしい」(渡辺さん)

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