青森市の「浅虫温泉」で3つの旅館が同時にリニューアルオープンへ リフォーム・展示・ショーなどに各館工夫

青森市にある浅虫温泉地区の活性化に向けた動きです。2024年1月から改装工事のため休館していた3つの旅館が、いよいよ4月19日、3館同時にリニューアルオープンします。

【坂本佳子アナウンサー】
「春の観光シーズンを迎えている県内。3つの旅館が新たな装いで観光客を出迎えます」

のんびりと過ごせる湯治プランが人気のホテル秋田屋。旅の疲れを癒やす開放的なロビーが印象的でしたが…。

ファミリー層をターゲットに、遊具も備えられたキッズスペースが完成しました。

畳敷きだった大広間はフローリングのレストランとなり、大人も子どももビュッフェ形式の食事が楽しめます。

【ホテル秋田屋 鈴木康義代表】
「昼間遊んで、ちょっと疲れたら屋上のプールで遊んでと、おいしいご飯を腹いっぱい食べてもらいたいというコンセプトですね」
「若い夫婦が来て遊べるようなホテルになればいいかなと思っています」

そして、板画家・棟方志功ゆかりの宿として知られる椿館。

これまでも、エントランスを中心に志功の作品が飾られていましたが…。

まるで美術館のような展示ギャラリーが設けられました。志功の作品に囲まれながら、おかみがたてるもてなしの抹茶をいただくことができ、自然と会話も弾みます。

【椿館 蝦名真希 おかみ】
「志功さんってこういうダイナミックな作品を描くとか、それをもっと間近で感じとって欲しいというコンセプトでございます」
「チーム浅虫というような感じで、浅虫温泉全体で皆様を歓迎する意味でより多くの方たちにPRしていきたいと思っております」

陸奥湾を臨む展望風呂が自慢の南部屋・海扇閣。毎晩、1階ロビーで津軽三味線ライブが開かれてきましたが、これに加え…。

改装されたダイニングで、津軽民謡と手踊り、ねぶた祭をテーマにしたディナーショー「Live&Entertainment」が行われることに。

会場後方に鎮座する第7代ねぶた名人、竹浪比呂央さんの作品がその熱気を盛り立てます。

また、一部の客室がすでに改装されていますが、この夏には、第2弾としてよりラグジュアリーな客室も設けられる予定です。

【南部屋・海扇閣 小林淳一社長】
「滞在型というよりちょっとお楽しみいただける、単なるお風呂があって料理がいいだけではなくて、そこに一つスパイスがあるようなそういった施設を目指しております」

3館を視察した青森市の西市長も、浅虫温泉地区の再生に期待をのぞかせました。

【青森市 西市長】
「また以前のように人がたくさん集まる、そんな場所になってほしいと思います」
「観光客の皆さんはもちろんなんですが、青森市民もどんどん使ってもらいたい、そんな気持ちでいます」

今回、紹介したリニューアル内容はごく一部。皆さんも、新しい浅虫温泉を体感してみてはいかがでしょうか。

藤原アナウンサー)
取材した坂本さんです。

坂本アナウンサー)
今回の3館同時リニューアルオープンは、浅虫温泉地区全体の活性化に向けた動きの一環です。これまでの動きをおさらいします。

2023年3月、地域経済の活性化をサポートする東京の官民ファンド「地域経済活性化支援機構」が、浅虫温泉地区の再生支援を発表しました。

背景にあったのは、「コロナ禍による多大な影響」と「財政基盤のぜい弱性」でした。

今回、リニューアルオープンする3つの旅館の運営母体3社は、この官民ファンドに株式を無償譲渡した上で、9億4千万円余りの融資を受けています。

さらに、この3社や地元企業などが出資して、2023年6月に観光地経営会社=「MOSPAあさむし共創プラットフォーム」が設立されました。

そのMOSPAでは、これまで各旅館や企業ごとに抱えてきた、人材やコストの問題といった管理業務の集約・効率化に加え、プロモーション活動の強化など、点ではなく面での活性化を目指している最中です。

藤原アナウンサー)
コロナ禍が明けて観光需要が戻りつつあるので、大いに期待したいですね。

澤田アナウンサー)
各館それぞれ素敵ですが、、海扇閣の「Live&Entertainment」が気になります。

坂本アナウンサー)
私たち県民が利用しても地元の魅力再発見につながると思います。

3館同時リニューアルオープンは、4月19日です。予約は浅虫温泉共同予約センターで受け付けていますが、直近はすでに満室となっている所もありますのでご注意ください。

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