中国の地方スーパーが「アンハッピー休暇」導入、議論巻き起こす―香港メディア

サウスチャイナ・モーニング・ポストは10日、中国の地方スーパーが、従業員のワークライフバランス向上を支援するため「アンハッピー休暇」を導入し、ネット上で議論を巻き起こしているとする記事を掲載した。

香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストは10日、中国河南省の許昌市と新郷市でスーパーマーケットを展開する胖東来が、従業員のワークライフバランス向上を支援するため「アンハッピー休暇」を導入し、ネット上で議論を巻き起こしているとする記事を掲載した。

記事によると、胖東来の創業者、于東来(ユー・ドンライ)氏は3月下旬に6日間にわたって行われたスーパーマーケット部門の発展促進に向けた集会で、「誰にもハッピーではない時がある。ハッピーでないなら仕事に来ないで」とし、同社の従業員が自らの裁量で10日間の追加休暇を申請できると発表した。

「アンハッピー休暇」をめぐっては、中国のSNS上で「このような良い経営者と企業文化は全国的に宣伝されるべきだ」「胖東来に移りたい。幸せも尊敬も得られる気がする」などの声が寄せられ、概ね支持されている。

中国の職場における心配事に関する2021年の調査によると、従業員の65%超が職場で疲れや不満を感じているという。低賃金、複雑な人間関係、残業文化が、職場における否定的な感情の主な原因であると報告されている。

于氏は昨年3月、長時間労働を擁護する一部企業の文化を非難し、「私たちは従業員が健康でリラックスした生活を送れるようにしたいと考えている。そうすることで企業にも得られるものがある」と語った。

胖東来は今年、職級認定制度を導入した。専門的な能力が一定の水準に達していれば、清掃作業員でも年収で最大50万元(約1050万円)まで稼ぐことができる。

胖東来は、地方スーパーではあるものの、その高水準の顧客サービスにより、「中国スーパー界の最高峰」として全国的に認められている。(翻訳・編集/柳川)

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