オーストリアパビリオン「未来を作曲」ピアノ演奏を遠隔操作、先進技術も 大阪・関西万博

オーストリアパビリオン・イメージ(夜景) (C) Expo Austria/BWM Designers & Architects

大阪・関西万博にパビリオンを出展するオーストリアが16日、会場人工島・夢洲(ゆめしま / 大阪市此花区)で起工式を行った。
音楽の都・ウィーンが首都のオーストリアは、パビリオンを自国で建設する「タイプA」に分類される。テーマは「Composing the Future(未来を作曲)」。音楽を通じて自国の魅力を紹介する。

【画像】大阪・関西万博 オーストリアパビリオン「未来を作曲」

1869(明治2)年、日本はオーストリア(当時はオーストリア=ハンガリー二重帝国)と修好通商条約を結び、1873(明治6)年のウィーン万博に初めて公式に参加、明治時代に海外で”ジャポニズム”の波を起こした。

パビリオンの正面では、巨大な楽譜をイメージした”らせん型”のループ(高さ約12メートル)が目を引く。
素材の木の板は接着剤を使わず、ねじで固定するため、解体しやすくリサイクルに適しているという。

展示スペース(約270平方メートル)には、オーストリアが明治天皇に献上したピアノの展示や、来場者が未来ぼ社会についてフレーズを選ぶと、AI(人工知能)がそのイメージを作曲する。

このほか、楽器メーカー大手・ヤマハの協力で、遠隔操作の技術でオーストリアでのピアノ演奏がパビリオン内に設置したピアノと連動してライブ展開する。政府関係者は「こうした技術が音楽が人をつないで感動を与え、未来を作曲することにつながる」と話した。

■過去100年の万博、すべて計画通りに

オーストリア連邦産業院のハラルド・マーラー総裁は、 「2年前にパビリオン建設計画を立てており、すべて予定通り。我々は過去100年間の万博で、全ての建築を計画通り成し遂げている。コロナ禍で延期のうえ開催されたドバイ万博でも、早くにパビリオンを完成させた自負がある」と強調した。
複雑な構造のループ部分は、オーストリアで制作後、会場・夢洲には今年12月末までに運び込んで組み立て、来年(2025年)の開幕までにすべてが完了する。

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