レイブンズLBスミス、元チームメイトのスティーラーズLBクイーンに「年に2回も会えるのはいいことだ」

パトリック・クイーン【NFL】

3月、ラインバッカー(LB)パトリック・クイーンは敵陣へ歩み去った。

ボルティモア・レイブンズで4シーズンを過ごした後、クイーンはチャームシティを離れ、ライバルであるピッツバーグ・スティーラーズに移籍し、紫と黒の代わりに黒と金のユニフォームを身につけるようになる。クイーンはたった1つの迅速な決断で、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の中でも特に激しい関係にある地区ライバルの間で陣営を変えた。これにより、かつてのチームメイトたちは新たな現実に直面せざるを得なくなっている。

クイーンの元相棒であるスターLBロクアン・スミスは、それがNFLのビジネスの一部であることを理解している。スミスに言わせれば、恨みっこなし——ただし、フィールド上にいるときは除いて――ということだ。

スミスはクイーンについて、次のように語っている。

「それは全然変なことじゃない。人生にはいろいろなことが起こるし、彼は今、他の場所にいる。ラインバッカールームにあった彼の写真を剥がさないとね。壁にはラインバッカーたちの写真がいっぱいあるんだ。俺が彼の写真をパンチしているところとか、そういうビデオを撮る必要があるかな。それか、パントプレーでスペシャルチームに出られないか、(スペシャルチームコーチのクリス・ホートンに)頼んでみようか。そうすれば、彼がフィールドに残っている間に何かアクションを起こせるかもしれない」

「でも、彼のことをうれしく思っている。彼がうまくいくことを願っているし、年に2回も彼に会えるのはいいことだ。彼は今でも俺の仲間だけれど、戦場では戦争相手だな」

この20年間、レイブンズとスティーラーズの対戦は文字通り戦争のようだった。2002年にNFLが地区を再編成して以来、レイブンズかスティーラーズのどちらかが16回、AFC北地区を制覇している。地区優勝回数は、レイブンズの7回に対してスティーラーズが9回と、スティーラーズがやや優勢だ。

両チームの対戦は毎年、重要な意味を持つ。新しいユニフォームと環境に慣れようとするクイーンは同時に、これまでにロッカールームを共有したことがない、新たなレイブンズの一員を封じ込める準備もしなければならない。その一員とは、ランニングバック(RB)デリック・ヘンリーのことだ。

スミスは、2度のNFL MVPを受賞しているクオーターバック(QB)ラマー・ジャクンを擁するチームに、2度のラッシング王であるヘンリーを迎えることに、これ以上ないほど興奮を覚えている。この新しいパートナーシップが潜在能力を発揮すれば、スミスや他のレイブンズのディフェンスメンバーの仕事がより楽になるはずだ。

スミスはヘンリーの加入について、こう述べた。

「本当に大きなことだと思う。彼が加入したことで、自分たちのプレーを徹底させることができるはずだ。彼のような選手がラマーと一緒にバックフィールドにいれば、いつでも必要なプレーを決めてくれるって期待できる。ワクワクするよ。全員に多くの可能性を生み出す。彼に立ち向かうことは、他のディフェンスにとってどれだけの脅威であるかを知っている。だから、恐ろしいことになりそうだし、見るのが楽しみだ」

2023年にクイーン、2022年にLBコール・ホルコムが加わったスティーラーズは、わずか1年あまりでラインバッカー陣を再構築した。典型的で荒々しい対戦が予測される2024年のAFC北地区でヘンリーを封じ込めるために、スティーラーズの11人のディフェンダー全員が全力を尽くす必要があるだろう。

【KO】

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