長期休暇を家族で有意義に過ごす田村市の観光スポットをご紹介!観光&食を入口に魅力発信を目指す地域おこし協力隊『岡野正貴さん』【福島県田村市で暮らす人々】

東京都▶️田村市滝根町

地域おこし協力隊 岡野正貴さん


ゴールデンウィークやお盆などの長期休み、しばし都会の喧騒を離れ自然豊かな場所で過ごしたいと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。阿武隈山地に囲まれた福島県田村市は、美しい自然やおいしい農産物が楽しめるのはもちろん、鍾乳洞や天文台、キャンプ場にムシムシランドといった、自然を生かした観光スポットも豊富です。今回は、田村市で観光型地域おこし協力隊として活動する岡野正貴さんに、田村市おすすめ観光スポットを伺いました。東京から移住し、パティシエや写真といったご自身のスキルと掛け合わせ、田村の新たな観光の入口を切り拓く岡野さんの思いも必読です!

要チェック!観光型地域おこし協力隊がおすすめする市内観光スポット

僕は普段、滝根町にあるあぶくま洞の営業課に所属し活動しています。あぶくま洞で開催するイベントのPRや事前準備、当日の誘導案内などを行っています。洞内のご案内もしており、一般のお客様やテレビ局・旅行会社の取材、近隣小学校の校外学習など、さまざまな目的や人数規模で来られる皆様と、入口から出口までご一緒してガイドします。ほかには、あぶくま洞由来の地下水を汲み上げたナチュラルミネラルウォーター「あぶくまの天然水」のボトリングや、地域おこし協力隊として関東圏に出張し田村市のPRをするといったお仕事もあり、なかなか経験できないことをやらせていただいていると思います。

あぶくま洞は元々石灰岩の採石場だった。駐車場の北側にそびえる白い岩壁の採掘跡は約140mの高さがあり、遠く離れた場所からも望める

田村市は観光スポットが豊富で、大人・子どもどちらもが楽しめる施設が多いと思います。 個人的におすすめしたい観光スポットは、あぶくま洞から車で約10分の場所にある入水鍾乳洞です。あぶくま洞は見て楽しむことが中心の鍾乳洞ですが、入水鍾乳洞は常時水に浸かりながら、より本格的なケイビングを楽しむことができます。 あぶくま洞の隣にある星の村天文台も素敵ですよ。プラネタリウムや大型望遠鏡での太陽観察ツアー、化石鉱物発掘体験といったワークショップを楽しめ、夜には本物の星空観測もできて、存分に星を堪能することができます。

都路町にあるグリーンパーク都路では、バーベキューやキャンプ、フライングディスクといった遊びはもちろん、ホップジャパンのビールが楽しめます。自然の中でビールを味わうって贅沢ですよね。お子さんと一緒に旅行に来て「子どもは遊べて喜んでいるけど、大人はどうやって過ごそう?」という親御さんもいらっしゃるのではないかと思いますが、グリーンパーク都路では大人ならではの楽しみを堪能できます。常葉町のムシムシランドもエキサイティングだし、スカイパレス常葉から見える景色も最高です。

施設だけでなく、田んぼや満天の星といった自然も見どころ。あぶくま洞周辺に多くある田んぼは、夏は一面青々とした風景が、秋は稲穂や稲刈りといった景色が広がり、季節の移ろいを感じることができます。あぶくま洞では夕方の閉館時に全ての照明を落としますが、本当に真っ暗なんです。滝根の町内に降りる坂にも街灯がほとんどなく、夜の暗さを実感する分、星がよく見えます。先日久々に東京に帰って新宿に行ったら、夜でもいろいろな意味で眩しくて。笑 そのくらい、田村は自然が豊かな地域なんだと実感します。田んぼや山に囲まれていると、自ずと穏やかな気持ちになれますね。

あぶくま洞は夏だけでなく冬も魅力的!いつもの風景でさえ感動できる

あぶくま洞は7〜8月が繁忙期で、一般的にも夏に行く場所というイメージが強いかもしれませんが、僕は冬もポイントだと思っています。洞内の気温は通年で平均15℃、外から風が入ってこないので、冬は外よりも温かいです。ダウンコートを着て入っても、階段の昇り降りなどをしてメインの滝根御殿に着く頃には、体が温まって汗をかき、コートを脱いでも差し支えありません。こうした環境を利用し、冬には洞内でコンサートなどのイベントを開催しています。

12月に洞内で開催した滝根御殿コンサートの様子(写真提供:岡野正貴さん)

駐車場から見える冬の夕日もおすすめです。夕日は毎日どこでも見られる景色ですが、こんなにも惹かれ足が止まり、美しさに感動する経験はしたことがありませんでした。雪が降れば、足元から遠くの山々まで一帯が雪景色となり壮観です。冬でも魅力いっぱいのあぶくま洞ですが、降雪時は滝根町内からあぶくま洞に上がってくるまでが大変ですね。軽乗用車で出勤しているのですが、坂を上がれずに途中で停め、徒歩で出勤したことがあります。寒い中お越しいただく形にはなりますが、その分美しい景色や暖かな洞内を味わうことができ、楽しい思い出ができると思います。

12月半ば、あぶくま洞の駐車場から滝根町方面を望む夕日の写真。「グラデーションが美しく、肉眼で何色も見ることができます。空の表情が良いんですよ、夏は夏でまた違う魅力があります」と岡野さん(写真提供:岡野正貴さん)

岡野さんが東京から田村に来たワケ。自分のスキルを生かし、地域や自分の生活を盛り上げたい

僕は東京都昭島市から移住し、2023年6月から田村市の地域おこし協力隊に着任しました。きっかけは、「これから自分が本当に何をしていけばいいのか」と悩んだ時期があり、人生の分岐点というか、新しい環境を求めていたんですね。そんな折、「地域おこし協力隊とはどのようなものなのだろう?」とふと考え、SNSやインターネットで調べてみました。自分のスキルを生かし団結して地域を盛り上げる、そうした写真を見たり記事を読んだりする中で、「楽しそうだな」と感じました。僕もホテルでパティシエとして勤めていた経験や写真といったスキルを生かし、こういう環境に移りたい、地域や自分の生活を盛り上げたいと考えました。

福島は震災や原発事故によってさまざまな大変さがある地域と認識しており、何かお手伝いができないかと思いました。渋谷で開催されたイベントに行った際、福島県内で活動した協力隊OBの方から「地域の方に支えられながら、自分のスキルを生かしやりたいことで活動する」というお話を聞き、改めて協力隊の魅力や活動イメージをつかむことができ、応募するに至りました。

移住に求める価値を見定め、生活感のギャップを事前に埋める「お試し移住」のすすめ

現在船引町に住んでおり、当初は不便が生じないか不安でしたが、実際住み始めると周りの方が「生活には困らないよ」と教えてくれた通りでした。船引で手に入らないものがあれば、少し足を伸ばして郡山に行けばだいたい手に入ります。生活の利便性という意味では、東京に住んでいた時と遜色ありません。アクティブな遊びが好きな方にも、田村市住まいはおすすめです。海で遊びたければいわきまで1時間で、スキーやスノーボードといった冬の遊びをしたければ1〜1時間半で猪苗代や会津方面に出られます。さまざまな用を足しやすい立地にあり、便利な場所だと感じています。

移住については、移住前後の生活のギャップが大きいと、居心地の悪さを感じる場合があるかもしれません。ギャップは新鮮さであり、僕の場合は良いものとして捉えられていますが、「何も無い」「目的地まで時間がかかる」という点に大きく不都合を感じてしまう方もいるだろうと思います。この感覚は、移住にどんな価値を求め何を大事にしたいかによって、変わってくると思います。

生活するというのは、ちょっと遊びに行くのとは違いますので、生活環境を少しずつ知ってから移住するのが良いのではないかと思います。例えば、ちょっとの期間お試しで住んでみて、平日・土日の過ごし方、買い物はどこに行けばいいか、落ち着く場所はあるか…など、自分の生活のルーティンを回してみると、「居心地の悪さを感じるギャップ」を事前に埋められるのではないかと思います。ギャップが埋まると安心しますし、移住のハードルも下がるのではないでしょうか。ご家族連れの方は決断に迷うところが多々あるのではないかと思いますので、「お試し移住で生活のルーティンを回す」というのを、やってみても良いのではないかと思います。(田村市のお試し移住についてはこちら)

僕も移住前に、 SNSやインターネットなどで田村市の情報を調べていましたが、どこに何があるかを感覚としてつかみきれないなど、検索だけで生身の情報を見つけるのは難しいです。現地に来て生活を経験したり、地域の方にお話を聞いたり、またはグリーンツーリズムや移住ツアーといったイベントなどに参加して雰囲気を見るだけでも違うと思います。移住してみたいなと思われている方は、ぜひ、田村市やあぶくま洞に遊びに来てください!

田村市の特産品を生かしたスイーツを、これからの田村の魅力に!

現在準備中ですが、今後あぶくま洞でスイーツを本格的に作って販売したいです。今の自分の夢の1つが、ここで作ったスイーツを景色と共に楽しんでもらうこと。お菓子や食を入口に、田村市やあぶくま洞に興味を持っていただきたいですし、「これを食べに田村市に行こう」と思って実際に来ていただきたいです。田村市には特産品やおいしいフルーツがたくさんありますので、旬に合わせてメニューを開発していきたいです。

2023年秋にあぶくま洞で開かれた鍾乳洞サミットでは、岡野さんがレシピを開発した田村市産のサツマイモとエゴマを使ったスイートポテトを提供(写真提供:岡野正貴さん)

具体的には、軽いパフェやカップスイーツなどをテイクアウト方式で販売するイメージでいますが、そのためにはさまざまな免許が必要です。着任後に、一旦の目標としていた食品衛生管理者の資格を取得しましたが、ほかにも菓子製造の免許が必要です。既存の施設に新しい免許を入れることになるため、皆さんとご相談して進める必要があります。販売開始後は需要やロスとの付き合いにはなりますが、協力隊の任期3年はあっという間だと思いますし、季節限定や個数限定販売など、やれるところから始められればと考えています。今後はあぶくま洞僕個人のSNSでもお菓子に関する発信を増やし、田村の魅力を伝えていきたいと思います!

ゴールデンウィークを楽しむ「あぶくま洞春まつり」の情報はこちらから!射的コーナーでは岡野さんに会えるかも?

あぶくま洞

住所:福島県田村市滝根町菅谷字東釜山1 番地
電話:0247-78-2125
営業時間:時期により変わります。
【8:30~17:00】4/1~6/22、10/1〜11/15、3/7〜3/31
【8:30~17:30】6/23~9/30
【8:30~16:30】11/16~3/6
※探検コースは営業終了1時間30分前までの受付となります。
定休日:年中無休
駐車場:無料(乗用車700台、バス30台)
HP: https://abukumado.com/


この記事を読んで田村市での生活に興味を持った方、移住を検討している方は、お気軽にたむら移住相談室へご相談ください。

たむら移住相談室

Web:https://tamura-ijyu.jp/
電話:050-5526-4583
メール:contact@tamura-ijyu.jp
※たむら移住相談室は株式会社ジェイアール東日本企画と(一社)Switchが共同で運営しております。

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