ジェイソン・ケルシーの後を継ぐことについて「自分らしくありたい」とイーグルスCユルゲンズ

フィラデルフィア・イーグルスのキャム・ユルゲンズとジェイソン・ケルシー【NFL】

フィラデルフィア・イーグルスのセンター(C)キャム・ユルゲンズは昨年、別のポジションと別のロッカーを持っていた。

イーグルスの元センター、ジェイソン・ケルシーの引退によって、殿堂クラスの空席が生じたことで、ユルゲンズの状況は短い期間で大きく変化している。

ユルゲンズは現地17日(水)に、自主参加のオフシーズンワークアウトの場で記者団に対してこう話した。

「確かに少し奇妙な感じだよ。ケルシーが去った後、彼のロッカーに俺のものが移されたんだ。やっぱり違和感がある。何回かロッカーを間違えてしまった。“ああ、もうこれは俺のロッカーじゃないんだ”ってね。だから、新しい環境に慣れる必要があるけれど、ここに戻ってきて、またリズムを取り戻すのは楽しい」

イーグルスはケルシーの後継者とすることを念頭に置いて、2022年ドラフト全体51位でユルゲンズを指名した。ユルゲンズは昨シーズン、ライトガード(RG)として11試合に先発出場。そんなユルゲンズは今、将来の殿堂入りが期待され、6度のオールプロに選出され、フィラデルフィアのスポーツ界のレジェンドとして愛されている、ケルシーの先発の座を引き継ぐという重責な任務に、自分らしく取り組むつもりだ。

ユルゲンズはこう続けている。

「最終的には、自分らしくいることが大事だと思うんだ。誰かの代わりや、誰かの次の人になろうとしているわけじゃない。ただ自分らしくいたい。どんなポジションに置かれたとしても、自分ができる限りの最高のフットボール選手になれるか? 俺が取り組むべきことはそれだ。自分がコントロールできること以外のことは心配していない。最終的に、それが唯一心配すべきことだと思う。人は比較したがるから、そういう見方や言い方をし始めると、肩に不必要な重荷を背負うことになる」

ケルシーの引退は、イーグルスがタンパベイ・バッカニアーズに敗れた翌日に報じられ、その後、ケルシー自身が涙の別れの挨拶で正式に発表した。この引退についてはイーグルスとジェネラルマネジャー(GM)ハウイー・ローズマンが覚悟していたことではあったが、だからといって簡単に受け入れられるわけではない。ケルシーのフィールド上での卓越した活躍や、ファンとの強い絆を通じてフィールド外で残した深い影響を考慮すれば、その穴を埋めることはほとんど不可能に思える。

イーグルスのクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツは水曜日に、「彼(ケルシー)のような選手の代わりになることなんてできない。でも、ここには特別な選手たちがいる」とコメント。

ユルゲンズはその“特別な”カテゴリーに昇格することを望んでいる。そのユルゲンズには、堅実なタックル(T)、ジョーダン・メイラタとレイン・ジョンソンが左右にいて、レフトガード(LG)のポジションには2度のプロボウル選出を誇るランドン・ディッカーソンがついており、彼らが成長を十分に後押ししてくれるはずだ。

また、ユルゲンズはケルシーとのプレー経験からも学ぶことができる。ルーキー時代にケルシーのバックアップだったユルゲンズは、2年目にはケルシーの隣で先発出場するようになっていた。

ユルゲンズはケルシーとのプレー経験について、次のように振り返っている。

「本当に貴重な体験だったと思う。1年目は彼の下でプレーして、多くのことを学んだんだ。それから去年は、彼の隣でガードとしてプレーしたときも、毎日新しいことを学ぶ機会があった。あのロッカールームにいて、あの環境にいて、毎日何か新しいことを学べるのは本当に楽しかったんだ」

「ケルシーの声は部屋全体に響き渡っていたし、彼が話すときは誰もが耳を傾けた。彼の話はとても有益で洞察に富んでいた。ああいう人を見習い、そこから学ぶのは容易だった。今年は彼がいないから、少し違った雰囲気になるかな」

ハーツが指摘したように、イーグルスがケルシーの代わりを見つけることは難しいだろう。

ケルシーはイーグルスのスーパーボウル初優勝に貢献し、その後、再びチームがスーパーボウルに進出する手助けをした。また、プロボウルに7回選出されたケルシーは、初めは地元のファンを、その後は全米のファンを魅了している。

ユルゲンズはケルシーの代わりになろうとしているわけではなく、新しいロッカーに慣れ、ハーツとのセンターとQBの連携を確立し、イーグルスの新しい先発センターとしての地位を固めることを目指している。

ユルゲンズはさらにこうつけ加えた。

「今日何ができるか、何を学び、何をすればもっと良くなれるか、どうすれば最高のフットボール選手になれるか、ということを考えている。どうすれば彼のようになれるか、じゃないんだ。明日は何をするのか? それが俺の考え方だ」

【KO】

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