パリ五輪、100年前の会場活用 「炎のランナー」の舞台

イブドゥ・マノワール競技場=3月、パリ郊外コロンブ(AP=共同)

 【パリ共同】今夏のパリ五輪は開幕まで100日を切り、既存施設を最大限に活用する競技会場の準備が各地で着々と進む。ホッケー女子の日本代表が戦うイブドゥ・マノワール競技場はパリ北西部コロンブに位置し、100年前の1924年パリ大会では開会式や陸上を実施したメイン会場だった。飛行機事故で命を落としたラグビー選手の名にちなみ、現在はこの競技場名となった。

 1世紀前のパリ五輪では英国の陸上選手2人がそれぞれ名勝負を繰り広げたレースの舞台にもなり、その実話を基にした80年代の映画「炎のランナー」はアカデミー賞を受賞して話題となった。テーマ曲も不滅の名曲として語り継がれる。

 前回のパリ大会はアジアからの参加は少なかったが、選手村でりりしい表情を浮かべる日本選手団の当時の集合写真が会場に飾られている。各国の拠点となる選手村が設けられたのは五輪史上初めてだったという。

 38年にサッカーW杯決勝も行われた競技場は五輪に向けて改修を重ね、収容人数は計1万3500人になるという。整備費は約1億100万ユーロ。

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