【ラクロス(男子)】藤岡・落合がハットトリックの猛攻も7−8で早稲田に惜敗 5月早慶戦でリベンジへ /六大学対抗戦 第3戦 vs 早大

今年度初の公式戦である、六大学対抗戦。立大、そして昨年度慶大の3年連続学生日本一を阻止した法大を破り、ここまで全勝の慶大は、同じく全勝中の早大との一戦に臨んだ。第1Qは開始早々に先制点を許すも、5分、落合優椰(政4・慶應)のゴールですぐさま試合を振り出しに戻すと、藤岡凛大(政4・慶應)が追加点で援護。2ー1とする。続く第2Qでも、開始2分で藤岡凛大がゴール裏から相手選手をかわして、華麗にシュート。3−1と早大を突き放す。しかしその直後、慶大DFが崩れた隙に1点を返されると、悪い流れは第3Q冒頭まで続き、痛恨の4連続失点。一気に、3−5と勝ち越される。慶大は1点を返すが、早大の猛攻に圧倒され4−7で最終Qへ。運命の第4Qは、落合が2点、藤岡が1点を奪い、7−7で試合は再び振り出しに。しかし、残り2分で早大が勝ち越し弾でゴールネットを揺らし、7ー8。六大戦全勝同士の対決は、早大に軍配が上がった。

2024年4月13日(土) 14:55 FO @東戸塚フットボールパーク

◇スタメン◇

AT

#3 藤岡凛大(政4・慶應)

#7 田代豪(商4・慶應NY)

#90 池田朋史(商3・慶應)

MF

#24 関志翔(政3・國學院久我山)

DF

#17 関根 瑠偉(政3・慶應)

#45 秦将一郎(経4・慶應)

#83 峰岸諒(環2・慶應湘南藤沢)

#21 河野寿海(経1・慶應)

G

#2 浜地航太郎(経4・慶應)

FO

#33 鈴木ケン春海(商3・慶應NY)

♢得点♢

1Q	2Q	3Q	4Q	計
慶大	2	1	1	3	7
早大	1	3	3	1	8
慶大得点者	落合、藤岡	藤岡	中西	落合(2)、藤岡	―

六大学戦優勝、そして1ヶ月後に控える早慶戦のためにも、絶対に勝ちが欲しい慶大。第1Qは、開始早々にいきなり早大の先制弾を浴びる。FOで鈴木ケン春海(商3・慶應NY)が競り勝つもグラウンドボールをすくわれゴール周辺でパスを回されるなど、苦しい時間帯が続く。しかし、ここは峰岸諒(環2・慶應湘南藤沢)や関志翔(政3・國學院久我山)、関根瑠偉(政3・慶應)らがしっかりと守り切る。そして5分、怪我による離脱から戦線復帰したばかりの落合優椰が同点のスタンシューを決め、すぐさま試合を振り出しに戻す。さらに9分、今年度主将を務める慶大の絶対的エース・藤岡凛大が追加点を奪い、2ー1とする。直後には、FO・増成琉之助(政3・慶應)や池田朋史(商3・慶應)がシュートを放つも、枠を捉えることができない。11分には、早大のLDFが独走で一気にゴール前まで駆け上がるなど、ヒヤリとする場面もあったが、シュートはゴール右に外れて難を逃れる。一進一退の攻防が繰り広げられる中、第1Qを2−1で終える。

FOから競り合う鈴木ケン春海

続く第2Q、開始早々に試合を動かしたのは、慶大が誇る主将・藤岡凛大。右敵陣に侵入した田代豪(商4・慶應NY)からパスを受けた藤岡は、ゴール裏へ。相手選手をかわしながらゴール左前に回り込むと、華麗なシュート。3−1と早大を突き放す。しかしその直後、慶大DF陣が崩れた一瞬の隙をつかれて1点を返されると、ここから早大の逆襲劇が幕を開ける。慶大は、グラウンドボールやパスカットから早大にボールを奪われ、何度もゴール前に迫られる。チームタイムアウトで状況を打開しようと試みるも、早大の勢いは止まるところを知らず。慶大が悪い流れを断ち切れないうちに早大は2点を追加、3−4と勝ち越されてしまう。このクォーターだけで3失点と、苦しい第2Qを経て前半が終了する。

プレーでもチームを牽引する主将・藤岡凛大

なんとか追いつきたい第3Qだが、またも開始早々に失点し、痛恨の4連続失点。それでも2分、中西海(経3・海城)が放ったシュートはゴールの右下に吸いこまれ、4−5と1点差に詰め寄る。このゴールで流れを一気に引き寄せたい慶大だが、勢いに乗った早大を前になかなか主導権を握ることができない。自陣でボールを回され、我慢の時間が続く。慶大は防戦に徹するも、ゴール前でフリーの選手にシュートを許して4ー6。これ以上の失点は避けたい慶大だったが、わずか3分後にも失点。その差を3点に広げられてしまう。慶大は1点でも多く返して第4Qを迎えるべく、何度か敵陣まで迫るが、早大の堅い守備を崩すことはできない。それでも、G・浜地航太郎(経4・慶應)の2度の好セーブもあり、4-7で勝負は最後の15分へ。

中西海の得点を喜ぶ

運命の第4Qは、序盤から3点を追う慶大のポゼッションで展開される。早大ファールで数的有利のチャンスを迎えると、慶大はゴールの周りでパスを回し得点の機会を伺う。迎えた3分、落合優椰がまたも見事なスタンシューで5ー7とし、慶大が反撃の狼煙をあげる。好プレー連発の主将・藤岡凛大が早大の堅い守備を破り1点差に迫ると、続く落合の強烈なシュートで7ー7の同点に。喜びを爆発させる落合に、慶大ベンチからは大きな歓声があがる。さらに9分、パスカットに成功した池田朋史がフリーになったゴール真正面へ。慶大応援は、勝ち越し弾を目前に大きな期待の渦に包まれるが、シュートは枠外へ。皮肉にも、このシュートが試合の命運を大きく分ける。1時間にわたる早大との激闘も残り2分、ついに勝敗を決定づける一打が生まれる。勝利の女神が微笑んだのは、悔しくも早大だった。ゴール裏からの素早いシュートにG・浜地航太郎の必死のセーブも届かず、早大に勝ち越しの決勝弾を許す。慶大は、最後までゴールネットを揺らそうとパスを回し、懸命にサイドを駆け上がるが、ここで試合終了のホイッスル。早大の堅実なDFを前にあと1点が遠く、7ー8で早大に惜敗した。

7−7の同点弾を決めた落合優椰

この試合では、藤岡と落合はともにハットトリックを達成。藤岡は主将、そして絶対的エースとしての貫禄を、落合は怪我からの完全復活をアピールする試合となった。一方で、ターンオーバーやグラウンドボール、パスカットなどにおいて、早大が一枚上だったようにも見えた。今回は、DF陣に怪我人が多くチームとして万全の状態ではなかったという難しい条件下での試合でもあったため、1ヶ月後の早慶戦では、全ての選手が最高の状態で「個の技術」を爆発させ、日吉の陸上競技場に歓喜の「若き血」を轟かせて欲しい。主将・藤岡凛大率いる慶大ラクロス部が、日本一への旅路の中でこれからどんな戦いぶりを見せてくれるのか非常に楽しみだ。

試合後に悔しさを滲ませる主将・藤岡凛大

▽以下、選手インタビュー

主将・藤岡凛大選手

ーー早慶戦も控える中で、早稲田と戦ってみていかがでしたか

お互い六大学戦全勝できている中で、六大戦優勝の中では一個鍵になる試合だなと思って臨んでたのが一つと。あとはDFで、特にうちは怪我人が多かったので、割とそういう意味で打ち合いというか、点の取り合いの勝負になるなというのも感じながら試合に入ったという感じですね。

ーーここまで新チームの状態は

やっぱり去年とは個の技術という意味では、すごい良いチームになってきてるなというのは思うんですけど。やっぱり強度が高くなっている分、怪我人が多くてなかなかフルメンバーで試合に出られる機会がまだ一回もないので。そこはチームとして、リーグ戦に向けてコンディションも含めて合わせていかないといけないかなと思っています。

ーー今年のチームの強み、特徴は

比較的、新4年の僕らの代が去年、一昨年とかから試合に主力で出ているメンツが多いんですけど。かといって4年生だけのチームにならず、下級生の力と融合しながら個々の技術が学生の中では高いチームになっているのかなと思っています。

ーー六大戦、残り2戦はどう戦っていきますか

早慶戦を控えていてあと1ヶ月後なので、残り2戦は早稲田の雪辱を晴らすというのと、社会人を見据えてずっとやらないといけないと思っているので、残り2戦はしっかり圧倒して、良い形で早慶戦に望めればなと思っています。

(取材:島森沙奈美、岡里佳、長掛真依)

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