『Re:リベンジ』登場人物全員が“秘密”を抱えている? 新たな一面を見せる見上愛の存在感

登場人物全員が何か“秘密”を抱えていそうな不穏な空気が漂う木曜劇場『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(フジテレビ系)。第2話では、主人公の天堂海斗(赤楚衛二)と後輩の木下紗耶(見上愛)のコンビが、病院内に残された謎の数々にメスを入れていく。「真実を明らかにしたい、取り戻したいんです」という海斗の切実な声が響く中、2人は海斗が意識を失っていた空白の5カ月の謎を少しずつ明らかにしていくことになる。

海斗は、父の天堂智信(光石研)の葬儀の日に何者かに襲われ、意識を失った。目覚めたのは5カ月後、山奥の診療所だった。恋人の朝比奈陽月(芳根京子)に連絡を取ろうとするが拒絶され、職場の出版社では解雇されていた。わずか5カ月の間に、海斗は仕事も恋人も失ってしまったのだ。

一方、天堂記念病院では新たな体制が発表され、海斗の叔母・天堂市子(余貴美子)が新理事長に就任。理事会には大友郁弥(錦戸亮)の姿もあった。海斗のアパートの留守番電話には、陽月からのメッセージが残されており、「私たち、もうダメなんだよね。鍵はポストに入れておきました」と別れを告げられていた。

そんな中、出版社の後輩・木下紗耶が海斗を訪ねてくる。誰も頼れない状況で途方に暮れる海斗にとって、紗耶は唯一の理解者とも言える存在だ(彼へ向ける紗耶の“想い”は、届いていないようだが)。「先輩の言うことが本当なら、ずっと眠っていたことを証明しないと」と言う紗耶とともに、海斗は診療所へと向かう。

しかし、そこには誰もおらず、海斗が眠っていたベッドすらなくなっていた。落ちていた点滴の袋には強力な麻酔の名前が記されており、診療所は20年以上前に閉鎖していたことが判明する。海斗は誰かの手によって、意図的に眠らされていたのだ。そしてこれは、理事会が発足するまで海斗を遠ざけたい何者かの仕業だったと思われる。

第2話でその存在感を見せつけたのは、木下紗耶役の見上愛だ。今作でGP帯連ドラ2クール連続出演となる快挙を成し遂げている彼女は、1月クールの『春になったら』(カンテレ・フジテレビ系)に続き、4月クールは本作『Re:リベンジ-欲望の果てに-』にレギュラー出演。さらに5月には、松居大悟監督が10年以上にわたり温め続けてきた渾身のラブストーリーとして話題を集める主演映画『不死身ラヴァーズ』の公開が控えるなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。

初めて本作の監督とプロデューサーに会ったときに、「今まで見たことない見上愛の顔を見せたい」と言葉をもらったという見上は(※)、本作で赤楚衛二演じる海斗とバディを組み、言葉通りに新たな一面を見せている。海斗に対して少々ツンデレな紗耶だが、彼女の恋の行方も応援したい。

一方、智信と郁弥には「昔から繋がりがあった」という噂があり、郁弥の母の執刀医が智信だったことも明らかになる。新理事の1人である郁弥は、5カ月前に着任したばかり。真実を迫るために郁弥と接触を試みる海斗だが、まともに取り合ってもらえない。そんな中、紗耶から「先輩のお父さんは、殺されたのかもしれません」と衝撃の連絡が入る。

一見すると、郁弥が海斗を病院から遠ざけているように見えるが、果たして本当にそうなのだろうか。若くして難易度の高い心臓移植を成功に導き、多くの実績を残してきた郁弥。その柔らかいのにどこか冷たい雰囲気は、少し出てくるだけで画面に不思議な緊迫感を与える。第1話から錦戸亮のオーラ抜群の演技に注目が集まっているが、このクールな表情の裏にたぎる“復讐心”が明らかになる瞬間も楽しみだ。

海斗は病院に戻ることを決意し、理事のポストではなくとも「初めはどこからでも」と真実に迫る決意を見せた。真相を追い求める海斗と紗耶、そして彼らを取り巻く登場人物たちの思惑が絡み合う中、第3話からの『Re:リベンジ-欲望の果てに-』はいよいよ病院の内部から巨悪に迫っていく展開になるのだろう。

黒幕の存在が、ようやくぼんやりと浮かび始めた『Re:リベンジ-欲望の果てに-』第2話。しかし真相にはまだほど遠く、今はただ実力派俳優たちの緻密な演技が織りなす、ドミノのように積み上げられた謎をゆっくりと見つめることしかできない。

果たして、海斗は真実にたどり着き、5カ月の間に失ったものを取り戻すことができるのか。このまるで深い霧の中を進むかのような、不安と期待が入り混じった感情こそが、本作が視聴者の心を掴む大きな要因なのかもしれない。

参照
※ https://entameclip.com/news/390982/

(文=すなくじら)

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