ブッキング・ドットコム、2024年GW旅行トレンドを予測 キーワードは「等身大風自己ブランディング」

宿泊予約サイトBooking.comの日本法人 ブッキング・ドットコム・ジャパン(以下、ブッキング・ドットコム)は、2024年のGW旅行トレンド予測発表会を2024年4月4日に開催した。

同社は、2024年は「Travel is LIFE」をキーワードとして「最高の自分の生き方」を見つけるために旅をすることがトレンドになると予測。また、旅でしか得られない体験や発見を通じて、想像力を広げ直感を研ぎ澄まし心を揺さぶることで最高の自分を作り出すことが、旅行者の強い目的意識になってきていると分析した。

ブッキング・ドットコムの日本人ユーザーの検索結果データによると、旅行場所の意向として「海外旅行」が10%であるのに対して「国内旅行」は90%に。同社は、2024年のGWは海外よりも国内旅行を楽しむ旅行者が多くなると見解を示した。

そして2024年は「五感の刺激を研ぎ澄ます旅」「趣味追求の熱狂旅」の2つがキートレンドになると分析。五感の刺激を研ぎ澄ます旅とは、温泉やスパ、緑に溶け込む体験など、自然の中で心身ともに癒やす体験や現地との触れ合い、食体験などを堪能する旅を指す。

趣味追求の熱狂旅とは、自分の推しや趣味を追求して楽しむことを目的とした旅行スタイルとなる。フェスやイベントのチケット価格高騰のため、他の旅行費用は抑えバランスをとる「アラカルトラグジュアリーで叶える旅」も人気の旅行スタイルとなっている。

若者研究に携わっている芝浦工業大学教授/マーケティングアナリストの原田曜平氏は、「SNSによる自己ブランディングが、旅に行く目的の中でも大きな割合を占めている」とコメント。「静止画映え」から「動画映え」へのシフトにより、「この旅先では〇〇の動画が撮れる」といったニーズを満たすために旅行先を決める若者も増えていると語った。

グランビスタ ホテル&リゾート セールス&マーケティング統括部長の岡田武氏則氏は、「Z世代を含めた若者のお客様は記念日を重視するようになってきている」とし、広めのスイートルームを予約してゆったり楽しむ傾向が目立ってきていると述べた。

また、若い世代は「男女問わず全体的に美意識が高く、おしゃれなデザイナーズホテルなど『ホカンス(ホテル×バカンス)』ができる場所に泊まったり、チル(くつろいだり、ゆったりすること)を求めたりするようになっている」と原田氏。SNS「BeReal」の台頭によって「無加工映え」もトレンドになっていると加えた。

さらに若者は、日常的に「アラカルト」で贅沢を取り入れたライフスタイルを送る傾向があり、必要に応じて安いものと高いものを使い分ける中、旅に関してはお金を惜しまず消費する傾向があると原田氏は解説した。

ここ数年で人気の「推し活」については、色々な趣味関心の中で時間やお金をかける比重を高くする「ライトな推し」を持つ若者が増え、その延長線上で旅をするニーズも増えていると原田氏。同氏は2024年のGWのトレンドワードとして「等身大風自己ブランディング」を挙げ、これまでの背伸びする傾向からマインドフルネスやチルを求める傾向へとトレンドが変化し、メリハリを付けながらSNSで自己ブランディングを行う旅行スタイルが若者世代を中心に広がると予想した。

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