部下との距離感に不安… 良い結果を生む組織に必要な「好かれる上司になる7つのポイント」とは

理想の上司になるにはどうすれば良い? と悩む女性(写真はイメージ)【写真:写真AC】

新年度になり、異動などで部下を持つようになった人もいるでしょう。理想の上司になるにはどうすれば良いのでしょうか。そこで、「好かれるリーダーに変わる50の技術 人手不足を解消するチームのつくり方」(セルバ出版刊)の著者で魅力学・コミュニケーション講師の宮之原明子さんに、30代女性が持つ実際の悩みをもとにアドバイスしてもらいました。好かれる上司になるための、7つのポイントとは。

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昇進後、周囲との距離に悩む女性

ベンチャー企業で働く30代の斎藤彩さん(仮名)。1年前の春に昇進し、4人の部下をマネジメントするようになりました。部下の年齢層はバラバラで、男女ともにいます。

昇進をきっかけに業務の効率化を推進し、部下たちに仕事を任せきりにしないよう割り振りにも気を使ってきました。そして、「私自身も今まで以上に仕事を請け負っているつもりです」と話します。

ところが、昇進前までは5人でときどきごはんに行く仲でしたが、今ではそうした機会がほとんどなく、周囲との距離を感じているそう。

「嫌われている! と思うことはないものの、以前ほどは好かれていないような気がします。自分なりに、頼れる上司になりたいと努力しているのですが、何が原因なのでしょうか」と悩んでいます。

数多くの経験から、好かれる上司になるポイントを伝授【写真提供:宮之原明子】

「フラット型の人間関係が組織として良い結果を出しやすくなっている」

「内容を拝見する限り、嫌われているわけではないと思います。ただ、役職が上がったことで、周りの方々が少し気を使っている状況かもしれないですね」と宮之原さん。今の時代、年上の部下は珍しくなく、理想の上司像も刻々と変化しています。

「立場に伴う、現在までの努力はとても良いことだと思います。ただ、これまでと違うことに気を配ることや、もしくはご自身が良い上司でいなくては! と思いすぎていることが原因の可能性も。部下の方たちに、これまでよりも『上司を立てなくては』『立場が上の上司だから』という感覚を持たせてしまっているのかもしれません」

経営者になって30年になる宮之原さんは、これまで多くのリーダーや経営者と話し、悩みを聞いてきました。そして、年間1万人を超えるスタッフに指導していくなかで、現在は「上下関係を意識したピラミッド型の人間関係ではなく、立場は関係なくみんなが同じく意見を出し合えるフラット型の人間関係が組織として良い結果を出しやすくなっている」と感じているといいます。

「今は『上司だから』と身がまえるのではなく、『一緒に働く大切な仲間』という意識に切り替えてみてはいかがでしょうか? もちろん責任を背負う立場なのは変わりませんが、上司としてより良い仕事で、より良い結果を出すために一番大切なことは、一緒に働く仲間(部下)がまず上司を好きでいることです。好きな人に言われたことは全力で頑張ってくれます」

そこで、宮之原さん流の「好かれる上司になる7つのポイント」を教えてもらいました。

○好かれる上司になる7つのポイント
1. いつも笑顔で、ご機嫌でいること
2. 部下に対しても、毎日のあいさつは自分から積極的に行う
3. 弱点や失敗をあえて隠さない
4. 指示したことを遂行してくれた部下には必ず「ありがとう」とお礼の言葉を言う
5. 間違ったときは「ごめんなさい」と謝罪の言葉を言う
6. ときには仕事以外のプライベートな話をする時間を作る
7. 定期的に「何か困っていることはない?」と声がけをする

かつては「部下に好かれる必要はない」「上司には威厳が必要」だといわれてきました。しかし、今ではまったく逆で、オープンな上司こそ求められているようです。理想の上司は時代によって変化するもの。7つのポイントをさっそく実践していきたいですね。

宮之原 明子(みやのはら・あきこ)
1974年9月25日生まれ、鹿児島県出身。人材サポート会社の株式会社清友、ほか2社代表取締役。一般社団法人 グッジョブかごしま理事。魅力学・コミュニケーション講師。著書に、接客・販売指導など1万人を超えるスタッフへの指導実績をもとに著わした「好かれるリーダーに変わる50の技術 人手不足を解消するチームのつくり方―」(セルバ出版刊)がある。2018年障がい者の就労支援事業として、一般社団法人グッジョブかごしまを立ち上げるなど、障がい者福祉事業へも積極的に取り組んでいる。

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