「問題意識はあるがどうすれば防げるのか…」 1年間で現職警官が3人逮捕された鹿児島県警、監察トップは苦渋の表情

 女性への不同意わいせつ容疑で鹿児島県警本部公安課課長補佐の男(51)が逮捕された18日、牛垣誠首席監察官が記者説明の場で県民に謝罪した。「個人の資質では済まされない。組織の問題もあると感じている。特効薬はなく粘り強く再発防止に取り組む」と、度重なる現職警察官の逮捕に声を落とした。

 県警によると、容疑者は2001年度採用。階級は警部で「部下を指導する立場。もっての外だ」と断じた。警察官の逮捕は直近の1年で3人目と不祥事が相次いでいる。朝礼や月1回の全体集会、個別面談で「職業人としてあるべき姿を説いてきた」が、非常事態は止まらなかった。

 牛垣首席監察官は「組織として問題意識は持っているが、どうすれば防げるのか」と苦渋の表情を浮かべた。「県民に申し訳ない気持ちが一番」とした上で「命がけで職務にあたる職員が萎縮する危機感もある」と漏らした。

 県警トップである野川明輝本部長は記者説明の場に姿を現さなかった。牛垣首席監察官は「本部長も重く受け止めている。広報のあり方よりも説明の内容を充実させることが大事だと考えている」と話した。

警察官が不同意わいせつの疑いで逮捕され、説明する鹿児島県警の牛垣誠首席監察官=18日午後7時半、鹿児島市の県警本部

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