「力の差を見せつけられた」FC東京戦の完敗を糧に、YS横浜のMF橋本陸斗は飛躍を遂げるか「明日から意識を変えて練習に取り組みたい」【ルヴァン杯】

[ルヴァンカップ1stラウンド2回戦]YS横浜 0-4 FC東京/4月17日/ニッパツ三ツ沢球技場

「積み上げていくしかないですね。今日は完敗です」

J1レベルを痛感させられた一戦が、プロ3年目の19歳にとって、キャリアのターニングポイントになるかもしれない。

4月17日、Y.S.C.C.横浜はルヴァンカップの1stラウンド2回戦でFC東京とホームで対戦し、0-4で完敗した。

J1クラブのFC東京に試合巧者ぶりを見せつけられたゲームだった。13分にセットプレーから小柏剛に先制点を許すと、39分に原川力のミドルシュートで被弾し、前半を折り返す。

YS横浜は後半のスタートから3-5-2の左右のウイングバックを入れ替えるなど、巻き返しへの策を講じたが、アウェーチームの勢いを封じられず。61分に遠藤渓太、90+3分にジャジャ・シルバのゴールで突き放され、3回戦進出は叶わなかった。

昨夏に東京ヴェルディからの期限付き移籍期間を延長し、今季もYS横浜で戦うMF橋本陸斗は、右ウイングバックで先発したFC東京戦をこう振り返った。

「力の差を見せつけられました。対面したジャジャ・シルバが想像以上に速くて、自分だけ守備のラインが下がってしまう場面もあったし、自分の対応だけで頭がいっぱいになって、周囲の選手への声掛けもできなかった。今年、ウイングバックでディフェンス面のタスクも任されているなかで、守備力が自分に足りていないのは分かっていましたが、今日、高いレベルの相手とやったことで、改めて弱点を痛感させられました」

【厳選ショット】ジャジャ・シルバのダメ押しゴールでFC東京が貫禄の勝利!|ルヴァンカップ1stラウンド 2回戦 YS横浜 0-4 FC東京
橋本は2021年に当時J2の東京Vの2種登録として、15歳10か月26日の若さでJデビューを果たした。22年にはプロ契約を結んだが、1年半でわずか3試合の出場に留まり、成長を期して23年夏にJ3のYS横浜へレンタル移籍する。

新天地で徐々に持ち味のテクニックを出せるようになってきたなかでJ1クラブと戦えた経験は、今後のサッカー人生に大きな影響を与える可能性があると言える。

橋本もFC東京戦の黒星を次につなげたいと考えているようだ。

「攻撃面で自分の良さを出せた場面も何度かあったとはいえ、すべてが足りないと思わされた試合でした。難しさを感じたジャジャ・シルバも、試合前に映像を見て分析はしていましたが、それでも対応できなかった。彼が気になって前に出られず、自分のサイドからの攻撃が少なくなってしまいました。

ただ、上の舞台に行けば、あのレベルの選手はゴロゴロいる。明日から意識を変えて練習に取り組みたいですし、1試合ずつ全力で戦っていくしかないです。今日のゲームを良い経験だったと言えるように、頑張っていきたいです」

橋本はFC東京戦で味わった悔しさを糧に、飛躍を遂げられるか。久保建英(15歳5か月1日)、森本貴幸(15歳10か月6日)に次ぐJリーグ史上3番目の最年少出場記録を持つテクニシャンがどんな成長曲線を描くのか、楽しみだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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