米比合同軍事演習で“中国製軍艦”を撃沈へ、比当局「意図はない」―中国メディア

19日、観察者網は、米国とフィリピンによる合同軍事演習で「中国製」の補給艦を標的とすることが明らかになったと報じた。

2024年4月19日、中国メディアの観察者網は、米国とフィリピンによる合同軍事演習で「中国製」の補給艦を標的とすることが明らかになったと報じた。

記事は、両国が4月22日から5月8日まで合同軍事演習「バリカタン」を実施する予定で、米兵1万1000人、フィリピン兵5000人のほかフランス海軍、オーストラリア国防軍からも兵士が参加して計1万7000人規模になる見込みだと紹介した。

そして、演習を担当するフィリピン陸軍のマイケル・ロジコ大佐兼報道官が17日に記者会見を開き、ASEAN、EU、日本を含む14の国・組織がオブザーバーとして参加すること、今年「バリカタン」の目的の一つにフィリピン武装部隊との「相互運用性」テストがあることを説明したと伝えている。

また、ロジコ氏が演習期間中にフィリピン北部地域で海軍軍艦による撃沈訓練も実施し、退役したフィリピン海軍の補給艦「レーク・カリラヤ」が標的に選ばれたと発表したことにも言及。「レーク・カリラヤ」はもともと中国製の民間石油タンカーとしてフィリピンの企業が使用しており、その後軍用に転換されたフィリピン唯一の「中国製海軍資産」だと指摘した上で、フィリピン軍側は同艦を標的に選んだことについて「意図的なものではない。特定の国にシグナルを送る意図はない」と主張しているとした。

記事はさらに、今年の「バリカタン」ではフィリピン沿岸警備隊も今年初めて参加する予定になっているとし、ロジコ氏が沿岸警備隊を決して軍事化するものではないと主張しつつも、沿岸警備隊の海上演習参加は武力衝突を想定したものだと述べたことを紹介。「バリカタン」が今回初めてフィリピンの領海外で行われること、演習内容に「敵からの島の奪還」が含まれていることについて、ロジコ氏が「武装部隊の存在目的は戦争のための準備だが、今回の演習は中国を含む特定の国を想定したものではない。中国が居ようが居まいがわれわれは演習をやる。なぜなら、どこの国もやっていることだからだ」とコメントしたことを伝えた。(翻訳・編集/川尻)

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