親子3代でメジャーリーガーになったブーン&ベル家、3人が揃ってドラ1のドリュー&ネイラー兄弟……MLBの“華麗なる一族”<SLUGGER>

現地4月18日のタイガース戦で、レンジャースから23歳の右腕投手ジャック・ライターがデビューした。このデビュー戦が話題になったのは、彼が21年ドラフト全体2位で指名された男だからというだけではない。ライターの父アルは、1990年代にメッツなどで活躍し、通算162勝を挙げた名左腕。また、アルにはマークという弟がいて、こちらもメジャー通算65勝を挙げた元投手。しかも同じ名前の息子は現在カブスでリリーフ投手として活躍していて、アルとマークは、それぞれがメジャーリーガーの息子を持つ史上初の兄弟コンビになったのだ。

これでライター家からは計4人のメジャーリーガーが誕生したわけだが、MLBには他にも多くの選手を送り出した家系がある。今回はそんな“華麗なる一族”について紹介しよう。

MLBでも特にサラブレットな血筋として有名なのが、ブーン家とベル家だ。両家とも3代にわたってメジャーリーガーを輩出している。その第一号となったブーン家は、55年にタイガースで打点王を獲得した強打の三塁手レイと、その息子でフィリーズやエンジェルスで正捕手として活躍したボブ。さらに、マリナーズなどで強打の二塁手として活躍したブレットと、現在はヤンキースの監督も務めるアーロン兄弟の計4人が全員オールスター選手にまでなっている。ベル家もブーン家と同じ祖父・子・孫2人の組み合わせ。特に2代目のバディ・ベルはタイガースやロッキーズで監督を歴任し、その子デビッドは現在レッズの指揮官を務めるなど、指導者の家系でもある。
親子や祖父・孫の関係ではなく兄弟で見てみると、5人の兄弟が全員メジャーリーガーという一族が一つだけある。1900年代初頭に活躍したデラハンティ家の兄弟は、通算2597安打を放ち、殿堂入りもしている長兄エドを筆頭に、フランク、ジム、ジョー、トムの5人がいずれもメジャーでプレーしている(末弟のウィルもマイナーリーガーだった)。

3兄弟がそろってドラフト1位指名を受けた例も史上2組だけいる。一つは、2007年に松坂大輔らとともにレッドソックスで世界一になった長兄JDを筆頭とするドリュー兄弟(JDが98年ドラフト全体5位、次兄ティムが97年全体28位、末弟スティーブンが04年全体15位)。2例目は昨年実現したばかりで、まだ3人揃って現役のネイラー兄弟だ。ともにガーディアンズの主力として活躍している長兄のジョシュは15年に全体12位で、次兄のボーは18年に全体29位でそれぞれ指名され、末弟のマイルズは昨年のドラフトでアスレティックスから全体39位で名前を呼ばれた。メジャー昇格はまだ先だが、いずれは2人の兄とメジャーの舞台でしのぎを削ることになるだろう。

日本とは異なり、MLBでは親子や兄弟で活躍している選手が多い。今後も“華麗なる一族”の系譜は、ますます増えていくことだろう。

構成●SLUGGER編集部

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